FXニュース:日経平均株価史上最高値続伸
東西FXニュース – 2024年2月26日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米FRB理事達利下げを急がず
- 米FOMCデータ重視姿勢継続
- 原油先物価格が一時大幅下落
- 米長期金利上昇後の大幅反落
- 日本の為替介入に海外警戒感
- 週末の調整と週明けの買戻し
- 欧ECB総裁インフレ鈍化意識
今日2024年2月26日月曜日の連休明けの日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の150円29銭付近から、円の安値でドルの高値の150円52銭付近の値幅約23銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は150円48~49銭付近と、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週木曜日17時の150円15~16銭付近の前東京終値比では約33銭の円安ドル高であった。
世界市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の150円55~56銭と比較すると今日の東京終値は約7銭の小幅な円高ドル安であったが、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では週明けのドルの買い戻しが進み、今夜18時49分頃にドルは円相場で一時150円67銭付近に上昇し、再び世界市場の前営業日比でも円安ドル高になったほか、今夜20時56分頃にはドル円は一時150円70銭付近の円安ドル高になっている。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、先週木曜日の連休前の日本市場では日経平均株価 (Nikkei Stock Average) が史上最高値を記録しリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円売りが起きたが、日本市場が祝日休場だった先週金曜日の世界市場でも円安ドル高が進行し、先週金曜日の夜19時18分頃の英国ロンドン外国為替市場では、時間外取引の米10年債の利回りが指標となる米国長期金利が午後の一時低下後に反発して一時4.353%付近に向けた上昇を見せた日米金利差拡大による円売りドル買いも加わったことで、ドルは円相場で一時150円77銭付近の先週末の欧州英国市場および日通しでの円の安値でドルの高値を記録していた。
この原因には、日本時間の先週金曜日に次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のウォラー理事が講演で、「米国経済の強さと米国のインフレに関する最近のデータは、忍耐強く慎重に整然と熟慮を重ねることが適切であることを意味している。どのような言葉を選ぼうとも、それは一つの考えに通じる。 何を急いでいるのか、ということである」と発言しており、データ重視で米国の利下げを急がない姿勢を示していたことで、米国高金利の長期化が欧州英国市場で意識されていた。
また、同じく次回投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェファーソン副議長も、米国の物価安定という最終的な目標達成のためには、一時的な鈍化を受けた米国政策金利の過度の利下げのリスクを警戒しており、「行き過ぎた緩和は、物価安定の回復を遅らせたり、逆に後退させたりすることになりかねない」と、利下げを遅らせるリスクよりも早めるリスクへの警戒感を示したほか、クック理事も、「米国の利下げを始める前に、米国インフレへの対応で更なる前進を目にしたい」と語っていたことで、市場では米国政策金利の先高感があった。
市場高値圏からは週末を控えたドルの利益確定売りやポジション調整などの抵抗が入り始めたことでは、欧州英国市場後半の先週金曜日の夜22時頃から始まった先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時150円42銭付近の始値であったが、米国長期金利が抵抗を混じえながらもまだ一時4.30%台付近の高利回りで推移していた先週金曜日の深夜24時57分頃には、ドルは円相場で一時150円55銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、米国ニューヨーク債券市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が利回り上昇時の債券価格低下を受けた安値からの米国債買いにより反落を始め、債券価格の反発上昇に伴う利回り低下の影響で一時4.25%台への大幅な反落となり、先週土曜日の午前2時前に一時4.254%付近に急落した日米金利差縮小を受けては、週末を控えたドルの利益確定売りと安値後の円買いの勢いが増し、先週土曜日の午前1時52分頃に一時150円29銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、先週土曜日の午前3時40分頃には、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は世界的な安全資産でもある米国債買いの継続により、米国債券価格上昇に伴う利回り低下の影響で一時4.244%付近に更に大幅に低下していたが、同時進行中だった米国ニューヨーク株式市場では、先日のAI関連の半導体大手の米国エヌビディア (NVIDIA) の好調な決算発表後の株価高騰の影響が残るブルマーケット (Bull Market / 強気市場) ムードであったため、先週の日経平均株価の史上最高値の更新に続き、この日は米国主要株価三指数のうちの二指数の米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500) が史上最高値を再び更新したこともあり、世界的な安全資産の米国債の債券価格上昇後の利益確定売りや、低リスク通貨の円売りの抵抗もあったことでは、ドルは円相場で反発して下げ幅を縮めた。
米国株式市場での利益確定売りの一方で、コモディティ市場では原油先物価格の一時大幅低下の影響もあって世界的に人気の米国債の安値買いは継続しており、米国10年債の価格上昇による利回り低下の影響は円相場でのドルの上値を抑えたほか、150円台後半の円安ドル高進行後の週末の海外市場では、151円台を前にした日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) による為替介入警戒感もあって、週末を控えたポジション調整が円相場の抵抗要因になった。原油先物価格の低下時には日本の貿易赤字リスクが減るために、低リスク通貨としての円の価値も上がることが多いことも、安値の円買いに影響を及ぼした。
米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数のうち米国ダウとS&P500の二指数は前日比高のままで終値を付けたが、ナズダック平均 (NASDAQ Composite) は週末を控えた利益確定売りの影響で前日比安の終値になったことも、安全資産の米国債買いや低リスク通貨の円買い抵抗の一因になり、また米国ニューヨーク債券市場では米国10年債の利回りは4.252%の前日比−0.072%で先週末の取引を終えており、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利の低下がドルの上値を抑えていた。
このため、先週金曜日の夜から土曜日の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の150円55銭付近から、円の高値でドルの安値の150円29銭付近の値動きで、先週土曜日の朝7時前頃のニューヨーク終値は150円54銭付近で、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の150円53銭と比べて横ばいレンジ圏に近い約1銭の僅差の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝の週明けのアジア・オセアニア市場でも、先週末の円安ドル高進行後の米国長期金利の反落を受けた利益確定や持ち高調整による反発で対ドル円相場が反発して始まった。
ただし、今朝8時50分に発表された日本の最新経済指標の1月の日本企業向けサービス価格指数の前年同月比は、前回と市場予想の2.4%を下回る2.1%の上昇率にインフレ鈍化したことでは、対ドル円相場でドルの買い戻しも入った。
今朝9時頃からの連休明けの今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時150円50銭付近から始まったが、日本市場時間の時間外の米国債券市場でも米国10年債が買われ、債券利回りが指標の米国長期金利が一時4.24%台と低めに始まった後に今朝10時台に一時4.226%付近に向け更に低下した日米金利差縮小を受けては対ドルの円相場が上昇し、今朝10時25分頃にドルは円相場で一時150円29銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、一時低下後の米国10年債の利回りは、債券価格の上昇を受けた利益確定売りにより反発し、再び一時4.24%台に戻したことでは、日米金利差拡大により円相場での市場安値後のドルの買い戻しが入り始めた。
また、先述の米国の史上最高値更新などの世界的な株価上昇の影響や、日本国内での新NISA (Nippon Individual Savings Account) 制度の新規投資資金流入の影響などもあり、今日の日経平均株価が続伸し、日本市場の連休前の先週に続いて史上最高値の再更新に向かったため、日本の株高時に売られやすい国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りのリスク選好のリスクオンのトレンドが再燃し、昼の13時45分頃にドルは円相場で一時150円52銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、今日の日本市場時間の時間外の米国債券市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は、米国債券価格が高止まりしていることを受けて、再び一時4.22%台付近に下げてから4.24%台に戻すという比較的狭いレンジで推移しており、先週の一時4.35%台と比較すると大幅な低利回りであったことではドルの上値が抑えられていた。
このため、今夜17時の今日の連休明けの東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円48~49銭付近で、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週木曜日17時の150円15~16銭付近の前東京終値比では約33銭の円安ドル高であったが、米国長期金利が上昇していた世界市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の150円55~56銭と比較すると約7銭の小幅な円高ドル安であった。
しかし、先述の通り、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では週明けのドルの買い戻しが進み、今夜18時49分頃にドルは円相場で一時150円67銭付近に上昇し、再び前東京終値比で円安ドル高になったほか、米国長期金利が一時4.25%台に上昇したことを受けた今夜20時56分頃にはドル円は一時150円70銭付近の円安ドル高になっている。
今夜この後の米国市場では最新米国経済指標の発表予定や米国債の入札予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは深夜24時に1月の米国新築住宅販売件数、25時30分に米国2年債入札予定と27時0分に米国5年債入札予定を控えている。
一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は162円96~98銭付近で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週木曜日17時の162円98銭~163円0銭付近の前東京終値比で横ばいレンジ圏に近い約2銭の僅差の円高ユーロ安であったが、世界市場の前営業日同時刻の先週金曜日17時の163円4~6銭付近と比較すると約8銭の小幅な円高ユーロ安であった。
主な要因は、先週までに欧州中央銀行 (ECB) 理事会メンバーの高官達の欧州利下げに慎重な発言が続いた後で、先週金曜日に欧州ユーロ圏の妥結賃金が昨年10~12月期の前年同期比の上昇率が、これまでの7~9月期から鈍化したことを受けて、欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁が、「明るい材料である」と発言したニュースが話題になり、欧州ユーロ圏の賃金インフレ鈍化が意識され、ドイツ連邦債10年物の利回りが指標となる欧州長期金利が低下したため、日欧金利差縮小による円買いユーロ売りや、円安ユーロ高進行後の利益確定や持ち高調整で円相場が一時反発した。
しかし、今夜その後の20時台の英国ロンドン外国為替市場では、現地実需買いもある欧州ユーロが日欧金利差もあって再び円相場で163円台に上昇し、円安ユーロ高になっている。
ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0830〜1.0832ドル付近で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週木曜日17時の1.0852〜1.0854ドル付近の前東京終値比では約0.22セントのユーロ安ドル高であったが、世界市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.0829〜1.0831ドルと比較すると横ばいレンジ圏に近い約0.01セントの僅差のユーロ高ドル安であった。
主な要因は、米国長期金利上昇後の低下を受けた主要通貨に対する金利差トレードのドル売買が影響を与えており、先週金曜日の夜の欧州英国市場時間に一時4.35%台だった米国長期金利が今日の日本市場では一時4.22%台にまで低下した影響が見られたが、今夜の欧州英国市場では一時4.25%台付近に戻していることでは、欧州長期金利にも低下時があった欧米金利差からは小幅域になっていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は190円70〜76銭付近で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週木曜日17時の190円25〜31銭付近の前東京終値比では約45銭の円安ポンド高であったが、世界市場の前営業日同時刻の先週金曜日17時の190円73〜79銭付近と比較すると約3銭の小幅な円高ポンド安であった。
主な要因は、日英金利差によるトレードや日米株価上昇を受けた低リスク通貨の円売りでは円安ポンド高になっていたが、欧州ユーロやドルなどが円相場で高値を記録後に欧米長期金利低下時の利益確定や持ち高調整で売られたことでは、欧州通貨の影響を受けやすい英国ポンドに対して円相場が反発を見せていた。
しかし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、日英の金融政策の違いや日英金利差もあり、今夜20時台には一時191円台の円安ポンド高になっている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年2月26日の日本時間(JST)20時40分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の11時40分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 20:40の為替レート | 前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 150.60 〜 150.61 | +0.45 (円安) |
ユーロ/円 | 163.46 〜 163.47 | +0.48 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0852 〜 1.0854 | ±0.0000 (レンジ) |
英ポンド/円 | 191.16 〜 191.22 | +0.91 (円安) |
スイスフラン/円 | 171.30 〜 171.36 | -0.08 (円高) |
豪ドル/円 | 98.68 〜 98.72 | -0.25 (円高) |
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。
当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。