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FXニュース:米卸売物価指数も予想下振れ

FXニュース:米卸売物価指数も予想下振れ

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FXニュース:米卸売物価指数も予想下振れ

FXニュース:米卸売物価指数も予想下振れ

東西FXニュース – 2023年07月14日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米利上げ長期化予想が再減退
  • 金利上昇警戒後退で米株高
  • 欧利上げ継続予想でユーロ高

今日2023年7月14日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値137円24銭前後から円の安値でドルの高値138円46銭前後の値幅約1円22銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は138円22~23銭付近と、前日同時刻の前東京終値比で約14銭の円高ドル安であった。

ただし、その後の今夜19時台の英国ロンドン外国為替市場では、週末を控えた今週の円高後の円の利益確定売りや持ち高調整も進み、小幅な円安ドル高にも転じている。

今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、日本時間で昨夜20時半の欧州英国市場で公開された6月開催分の欧州中央銀行 (ECB) 理事会議事要旨では、欧州のインフレを2%の目標に戻すためには、「必要であれば、7月以降も欧州利上げを検討する可能性がある」と示されたことで、欧州利上げ継続予想が高まっていた。

続いて始まった昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、昨夜21時半に発表された前週分の米国新規失業保険申請件数が前回の24.8万件と前回修正の24.9万件と市場予想の25.0万件に対し23.7万件に改善されており、21時半過ぎには一時138円95銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録したが、前週分の米国失業保険継続受給者数は前回の172.0万人と前回修正の171.8万人と市場予想の172.3万人に対し172.9万人と弱く、すぐに利益確定のドル売りが始まった。

さらに、同じく発表された最新米国経済指標の6月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI) が、前年同月比は前回の1.1%と前回修正の0.9%と市場予想の0.4%に対し0.1%の大幅なインフレ鈍化を示して2020年8月以来の低水準を記録し、前月比も前回の-0.3%と前回修正の-0.4%と市場予想の0.2%に対し0.1%と、市場予想よりも鈍化していた。

6月の米国卸売物価指数 (PPI) から価格変動の激しい食品とエネルギー除いた物価基調のPPIコア指数も、前年同月比が前回の2.8%と前回修正と市場予想の2.6%に対し2.4%に鈍化し、前月比も前回と市場予想の0.2%に対し前回修正と同じ0.1%であったことで、前日に発表されていた6月の米国消費者物価指数 (CPI) も市場予想よりも鈍化し、およそ2年ぶりの小幅な伸びを示したことで、米国インフレ鈍化のディスインフレが意識され、インフレ抑制のための米国連邦準備制度理事会 (FRB) による米国利上げ長期化予想がさらに減退し、米国長期金利が低下し、主要通貨に対してドルが売られて一時全面ドル安になった。

市場では、米国連邦準備制度理事会 (FRB) が今月7月25〜26日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で利上げを再開する市場予想が優勢ではあるが、今週発表された最新インフレデータにより、年内あと2回の利上げ長期化が、あと1回で停止に向かう可能性も指摘され始めており、欧州ユーロや英国ポンドなどの利上げ継続方向の主要通貨に対してドルが売られた影響のドル円相場へ波及のほか、日本銀行 (日銀 / BoJ) にも円安要因の金利抑制の大規模緩和金融政策の修正や見直しの時期が近づいてきており、早ければ今月下旬の日銀金融政策決定会合でも話し合われるという日本の経済紙などの一部の報道への期待値などもあり、日米金利差縮小予想や米国長期金利低下時の日米金利差縮小による円買いドル売りが勢いを増した。

また、昨夜の米国市場では、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官の中でも特に利上げに積極的なタカ派として有名だった米国セントルイス連銀のブラード総裁が辞任したニュースも話題になった。ブラード総裁は、米国時間の昨日付けで辞任し、来月14日まではFRBの顧問として残るものの、米国連邦公開市場委員会 (FOMC) からは引退し、今後は公式の講演予定もなくなるということであった。

続いて、今朝未明3時に発表された最新米国経済指標の6月の米国月次財政収支も、前回の-2403億ドルと市場予想の-1750億ドルに対し-2280億ドルと、前回ほどではないものの市場予想以下であった。

米国長期金利の指標となる米国10年債の利回りは一時3.75%台に低下し、日米金利差縮小時の円買いドル売りや主要通貨に対するドル売りが続き、午前3時半過ぎには一時137円92銭付近の5月22日以来の円高ドル安の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、主要通貨に対するドル指数も一時2022年4月中旬以来の安値の99.739付近を記録し、対ドルの欧州ユーロは1年4カ月ぶりのユーロ高ドル安、対ドルの英国ポンドは一時1年3カ月ぶりの英ポンド高ドル安、対ドルのスイスフランはおよそ8年ぶりのスイスフラン高ドル安を記録と、ドル全面安を記録した。

一方で、同時進行中の米国株式市場では、米国金利上昇への警戒感の緩和で米国主要株価三指数や仮想通貨が上昇し、欧米株高時のリスクオンの低リスク通貨の円売りは、ややドル円の抵抗要因になった。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は円の安値でドルの高値の138円95銭前後から円の高値でドルの安値の137円92銭前後の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値を138円5銭付近の前日同時刻の前ニューヨーク終値比で約45銭の円高ドル安でつけていた。

今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場でも、米国トレンドを受けた米国利上げ長期化予想の減退による米国長期金利低下によるドル売りが継続した。

ただし、今朝9時55分頃の日本市場の仲値決済に向けては、明日の15日は土曜日で週末にあたるため、今日が実質的な日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10がつく日の五十日で、日本企業の輸入実需の円売りドルが一時抵抗要因となったが、輸出企業や投資系の円買いドル売りもあり、円高ドル安が進行した。

また日本市場では、今朝の日本の経済紙が、今月の日本銀行 (日銀) 金融政策決定会合後の国内消費者物価指数 (CPI) の生鮮食品を除くコアCPI指数の前年比上昇率の見通しを前月分よりも上方修正する見通しであることを伝えたことをきっかけに、もし日銀が目標とする2%を上回ると早期の金融政策修正圧のかかる可能性もあることから、早ければ7月27~28日に予定されている日本銀行 (日銀 / BoJ) の金融政策決定会合で、日銀の長短金利操作のイールドカーブ・コントロール (YCC) の見直しや修正を始める可能性が意識され、国内債券市場では日本の長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが上昇し、一時0.485%と3月10日以来の高利回りを記録し、米国長期金利低下時の日米金利差縮小の円買いドル売りに加えて、予想値や期待値も含めた日米金利差縮小予想の円買いドル売りが強まった。

今朝10時38分頃には、今朝までの米国市場での円の高値記録を抜けて、一時137円24銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、今朝は欧米株高につられる様に一時は300円以上も大幅上昇していた日経平均株価では、株売りに転じて下落に向かったことでも、低リスク通貨の円買い需要があった。

午後15時15分に今日の日経平均株価は、3万2391円26銭の前日比28円7銭安で大引けした。

しかし、今日の時間外の米国債券市場では、日本時間の午後の取引で米国長期金利の低下が収まってきており、午後からの欧州英国市場の参入では、週末を控えた高値の円の利益確定売りが抵抗要因として入り始め、午後16時4分頃には一時138円46銭付近の今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は138円22~23銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約14銭の円高ドル安になった。

また、今夜19時台の英国ロンドン外国為替市場では、週末を控えた利益確定売りが進み、前日比では小幅な円安ドル高の範囲にも市場反転も見せている。

今夜この後にも最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間のスケジュールでは今夜21時半に 6月の米国輸入物価指数と、23時に7月の米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値などが発表される予定である。

また、米国株式市場では主要企業の決算報告の予定もあり、今夜20時頃に米国金融大手のJPモルガン・チェース (JPM) と22時頃に米国シティグループなどの決算報告が注目されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は155円11~12銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約78銭の円安ユーロ高であった。ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.1220~1.1222ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比で約0.66セントのユーロ高ドル安だった。

今日のユーロ高の要因は、先述の通り、昨夜の欧州中央銀行 (ECB) 理事会議事要旨を受けて、欧州利上げ継続予想が高まり、米国インフレ鈍化のドルや日欧金利差拡大予想の円に対してユーロが買われて上昇した。

また、欧米株高時のリスクオン市場でも、世界的に流動性の高い安全資産のドルや低リスク通貨の円に対してユーロが買われやすくなっていた。

今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国のドイツの6月の独卸売物価指数 (WPI) の前月比は、前回の-1.1%の対し-0.2%とインフレ鈍化率を狭めていた。

今夜18時に発表された最新欧州経済指標の5月の貿易収支も、季調前と季調済の両方で赤字額が減少した。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は181円24~30銭付近で、昨夜17時の180円23~29銭付近の前東京終値比では約1円1銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、昨日の英国ロンドン外国為替市場で発表された最新英国重要経済指標の5月の英国月次国内総生産 (GDP) の前月比が-0.1%で、市場予想の-0.3%ほどは悪化していなかったことから、英国のインフレ継続による英国大幅利上げ継続予想により、米国インフレ鈍化による米国利上げ長期化予想が減退したドルに対して英国ポンドが大幅に上昇した影響が円相場に波及したほか、日英金利差拡大予想も影響を及ぼしていた。

英国ポンドはドルに対して、1.31ドル台の2022年4月以来のおよそ1年3カ月ぶりのポンド高ドル安を記録していた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年7月14日の日本時間(JST)19時24分(チャートの時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時24分) の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:24の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 138.64 ~ 138.66 +0.28 (円安)
ユーロ/円 155.56 ~ 155.57 +1.23 (円安)
ユーロ/ドル 1.1217 ~ 1.1219 +0.0063 (ドル安)
英ポンド/円 181.71 ~ 181.77 +1.48 (円安)
スイスフラン/円 161.39 ~ 161.45 +1.14 (円安)
豪ドル/円 95.21 ~ 95.25 +0.55 (円安)

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