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FXニュース:加利上げで世界的インフレ圧意識

FXニュース:加利上げで世界的インフレ圧意識

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FXニュース:加利上げで世界的インフレ圧意識

FXニュース:加利上げで世界的インフレ圧意識

東西FXニュース – 2023年06月08日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米利上げ長期化予想で日米金利
  • 日経平均株価大幅安リスク回避も
  • 欧英利上げ継続と長期化予想優勢

今日2023年6月8日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値140円9銭前後から高値139円67銭前後の値幅約42銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は139円72~73銭付近と、前日同時刻の前東京終値比で約29銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動き要因と世界FX市場のトレンド動向では、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク (NY) 外国為替市場の始まりにはWTI原油先物価格の上昇による対資源国通貨へのドル売りの影響でドルは円相場で一時139円3銭付近に下落したが、昨夜23時に発表された北米カナダの中央銀行にあたるカナダ銀行 (BoC) が、金利据え置きの市場予想に反して3会合ぶりにインフレ抑制のための0.25%のサプライズの追加利上げを発表し、前日のオーストラリア準備銀行 (RBA) の利上げ再開に続いての世界的なインフレ圧による利上げ長期化トレンドを受け、北米カナダの隣国の米国の利上げ長期化予想が高まり、米国長期金利が一時3.79%台に大幅に上昇し、日米金利差拡大時の円売りドル買いが優勢になり、ドルは円相場で140円台に上昇した。

来週に米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国新政策金利を決定する米国連邦公開市場委員会 (FOMC) を控えた米国市場では、これまでにも6月の米国利上げ見送りと7月の米国利上げ長期化予想が優勢であったが、北米カナダ銀行の利上げ見送りの市場予想に反したサプライズ利上げの発表により、米国政策金利予測値ツールのフェッドウォッチ (CME FedWatch Tool) では、6月の米国利上げ見送り (スキップ) 予想はカナダの発表以前には確定値の70%超えだったものが確定値以下の66.7%付近に減退し、今月6月の米国利上げ予想率も33.3%付近に上昇する傍らで、来月7月の米国利上げ予想率は0.25%の米国利上げ予想が50.6%付近、0.5%の米国大幅利上げ予想が17.9%付近に上昇した。

カナダ銀行 (BoC) の新政策金利発表時の声明文では、「コアインフレの動向と、物価見通しを引き続き評価」することや、「超過需要、インフレ期待、賃金上昇率、企業の価格戦略が、物価目標の達成に整合的かどうかを、特に慎重に見極める」と指摘しており、北米の物価上昇圧による利上げ再開であったことから、近隣の米国の市場予想に影響を与えた。

市場では世界的なインフレ圧と欧米英の金利上昇トレンドが改めて意識され、米国や欧州の利上げ長期化予想が高まる一方で、来週の日本銀行 (日銀 / BoJ) の金融政策決定会合では、金利抑制の大規模緩和金融政策がしばらく継続される市場予想が優勢であったため、日本と欧米との金利差拡大予想により、利上げ発表後のカナダドル円などを中心に、主要通貨に対してもクロス円が円安に傾いた影響の波及もあり、ドルも円相場で上昇を続け、今朝5時過ぎには一時140円25銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値139円3銭前後から安値140円25銭前後の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値を140円13銭付近の前日同時刻の前ニューヨーク終値比で約50銭の円安ドル高でつけていた。

今朝8時50分には、日本の最新重要経済指標の発表があり、1~3月の四半期実質国内総生産 (GDP) の改定値は、年率換算で前回の1.6%と市場予想の1.9%に対して2.7%と大きく上昇し、前期比も前回の0.4%と市場予想の0.5%を上回る0.7%であったことでは、日本景気好感による安値圏からの低リスク通貨の円買いの抵抗も入った。

同時発表の日本の4月の国際収支の貿易収支も、前回の-4544億円と市場予想の-2879億円に対し-1131億円と赤字額が軽減されていたが、4月の国際収支の経常収支は季調前が前回の2兆2781億円と市場予想の1兆6638億円に対し1兆8951億円で、季調済が前回の1兆90億円と市場予想の1兆3844億円に対し1兆8996億円であった。

今朝9時頃からの日本の東京外国為替市場では、今朝までの米国トレンドを受け継いだ日米金利差拡大による円安ドル高で始まったが、今朝10時28分頃に今日の日本市場での円の安値でドルの高値の140円9銭付近を記録後には、日本市場時間の午前の取引で時間外の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の上昇が安全資産の米国債買いなどで収まってきたため、高値のドルの利益確定売りと安値の円買いの抵抗が強まった。

また、今日の日本市場の仲値決済でも、輸入実需の円売りドル買いの後には輸出企業の円買いドル売りが入った。

午後14時には日本の経済指標の5月景気ウォッチャー調査が発表され、現状判断DIは前回の54.6に対し市場予想通りの55.0であったが、先行き判断DIは前回の55.7と市場予想の56.1に対し54.4と弱かった。

今日の日本の株式市場では、昨日に続いての来週の日本銀行 (日銀 / BoJ) の金融政策決定会合のイベントを前にした利益確定売りや持ち高調整などで、今日の日経平均株価が前日比で一時400円以上もの大幅な続落を見せたことでも、日本株安時のリスク回避で国内第一安全資産の低リスク通貨の円買い需要が強まり、午後14時2分頃には、対ドルの円相場は一時139円67銭付近の今日の日本市場での円の高値でドルの安値を記録した。

午後15時台に今日の日経平均株価は、昨日に続いて続落はしたものの、一時の400円超えの大幅な下げ幅は縮めた3万1641円27銭の前日比272円47銭安で大引けしたことでは、市場高値を記録後の低リスク通貨の円の利益確定売りも入った。

午後からの欧州英国市場の参入では、昨夜のカナダ銀行 (BoC) のサプライズ利上げにより、世界的なインフレ圧が意識された影響で、米国だけでなく欧州でも利上げ継続予想と欧州利上げ長期化予想が高まっており、日欧金利差拡大予想の強まりで、欧州ユーロに対しても円安が進んだ影響が主要通貨に波及し、ドルも円相場で再び反発して上昇した。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は139円72~73銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約29銭の円安ドル高になった。

今夜この後にも最新米国経済指標の発表があり、日本時間のカレンダーのスケジュールでは、今夜21時半に前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数と、23時に4月の米国卸売売上高などが発表される予定である。

また、世界市場では、来週の6月13〜14日に予定されている米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国連邦公開市場委員会 (FOMC)、6月15日の欧州中央銀行 (ECB) 理事会、6月15〜16日の日本の日銀金融政策決定会合での新政策金利や金融政策発表のイベント週を控えた持ち高調整や様子見の値動きなども入り始めている。そして、再来週の6月22日には、英国中央銀行イングランド銀行 (BoE) も金融政策委員会(MPC) を開催し、新政策金利と声明を発表する予定がある。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は149円68~70銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約71銭の円安ユーロ高であった。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0712~1.0714ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比で約0.28セントのユーロ高ドル安であった。

主な原因は、前日のオーストラリア準備銀行 (RBA) と昨夜のカナダ銀行 (BoC) のサプライズ利上げによる世界的なインフレ圧が意識され、欧州インフレの高止まり傾向による欧州利上げ長期化予想が高まり、さらに欧州中央銀行 (ECB) には、来週の理事会でも利上げ継続予想が優勢であったことから、来週スキップの市場予想が依然として過半数よりも優位で来月に利上げ予想があるドルよりもユーロの方が大きく上昇し、対円ではドルとユーロのいずれにも円安であったが、ユーロドルではユーロの上昇幅の方が大きくなっていた。

なお、日本市場終了後の今夜18時の欧州市場では、欧州ユーロ圏の最新重要経済指標の1~3月四半期域内総生産 (GDP) の確定値が発表され、前年同期比は前回の1.3%と市場予想の1.2%に対し1.0%に低下し、前期比も前回の0.1%と市場予想の0.0%に対し-0.1%と下方修正されたことでは欧州景気懸念もあったものの、同じ頃に米国長期金利がやや低下していたこともあり、欧州利上げ長期化予想によるユーロ上昇が市場反転するほどの反応は現時点ではまだ出ていない。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は174円1~7銭付近で、昨夜17時の173円8~14銭付近の前東京終値比では約93銭の円安ポンド高であった。

主な原因は、昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、これまでに発表された英国のインフレ物価指標や賃金インフレ率が市場予想以上であったことなどからも、英国インフレ圧が意識され、再来週の英国中央銀行イングランド銀行 (BoE) の英国利上げ継続予想による日英金利差拡大予想の円売りポンド買いが優勢であったが、昨夜の米国市場でのカナダ銀行 (BoC) の利上げを受けて、日米欧英金利差拡大予想がさらに強まった。

また、今朝8時過ぎに発表された英国の最新経済指標の5月の英国王立公認不動産鑑定士協会 (RICS) 住宅価格指数は、前回の-39と市場予想の-38に対して-30で、英国の住宅インフレのピークアウトも前回や市場予想ほどは進んでいないことが明らかになった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年6月8日の日本時間(JST)19時25分(チャートの時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時25分) の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:25の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 139.79 ~ 139.80 +0.36 (円安)
ユーロ/円 149.95 ~ 149.97 +0.98 (円安)
ユーロ/ドル 1.0726 ~ 1.0728 +0.0042 (ドル安)
英ポンド/円 174.20 ~ 174.26 +1.12 (円安)
スイスフラン/円 153.64 ~ 153.70 +0.04 (円安)
豪ドル/円 93.39 ~ 93.43 +0.16 (円安)

 

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