マーケットコメント:GPIFの実質運用利回り引き上げ!株の投資増加か?
東西FXマーケットコメント – 2024年12月02日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、GPIFの実質運用利回り引き上げの検討を厚生労働省が検討している件について、日本経済の状況を踏まえつつ、その内容と背景について分析していきます。メインテーマは実質運用利回りの引き上げが行われるGPIFとビットコインのテクニカル分析。
【11月29日】GPIFの実質運用利回り引き上げ!株への投資増加か?
厚生労働省は12月2日に社会保障審議会資金運用部会にて、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2025年以降の実質利回りを1.9%とする案を示した。
現在、厚生労働省はGPIFの運用利回りを1.7%と設定している。今回の決定は厚生労働省が2025年〜2029年度の運用目標を決定し、その目標に対して適切な投資ポートフォリオを策定するものである。
実質的運用利回りとは、運用利回りから賃金上昇を差し引いた値である。Bloombergの調査によれば、 GPIFは外国債券の比率を引き下げる一方で、国内株式への投資配分を高める可能性があるとのこと。
GPIFが同日に配布した資料によれば、実質運用利回りを1.9%に設定する事によって、年金調整を安定させるために公的年金額の伸びを抑える「マクロ経済スライド」による給付調整を予定よりも3年程度早く終わらせることができるとのこと。
GPIFが運用利回りの引き上げによって国内株式への配分を高めるならば、それに伴って限定的とはいえ国内株式市場の上昇に寄与する可能性がある。
ビットコインテクニカル分析〜ビットコインの現況と今後の推移予測〜
上記の図(Investing.comより)はビットコインの日足チャートである。
この図を見れば、ビットコインは上昇トレンドが継続しており、一万ドルという歴史的水準の手前で停滞していることがわかる。
テクニカル分析の観点で言えば、5日〜75日移動平均線すべて上向きで推移しており、綺麗な上昇トレンドのフォーメーションとなっている。RSIやMACDなどのオシレーター系指標は中立となっている。
ファンダメンタルの観点では、為替市場で一時的なドル安が進展している現況で、ビットコインは金と同じようにドルの代替資産として機能していることから、さらなるアップサイドも予測される。金が再度上昇してくれば、ビットコインも同様に上昇する可能性が高い。
米国以外の景気軟化が進む中、法定通貨でないビットコインは資産保全先としての需要もある。これらのことを踏まえれば、一万ドルを突破した瞬間にビットコインはさらにアップティックしてもおかしくないだろう。この動きを見る上で、同じくドルの代替資産となり得る金の動きにも要注目である。
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。