マーケットコメント:ドル円が大幅下落!円売りキャリーに逆風か?
東西FXマーケットコメント – 2024年11月28日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、ドル円が大幅に下落している件について、現在のマクロ経済の状況を踏まえつつ、その背景と今後のトレンドを分析していきます。メインテーマは反落するドル円と今後の動向に関するテクニカル分析。
【11月28日】ドル円が大幅下落!円売りキャリーに逆風か?
11月27日、為替市場でドル円が大幅に下落している。
ドル円は先週まで155円付近で推移していたものの、昨日と今日で151円75銭まで下落し、円高が大きく進展した。背景として、日米金利差の縮小や米国感謝祭におけるボラティリティの拡大懸念に備えた機関投資家によるポジションサイズの縮小などが考えられる。
Bloombergによれば、野村アセットマネジメントの石黒チーフ・ストラテジストはFRBの利下げペースが市場の予測以上に緩やかになる可能性が高いとコメント。一方で、みずほ証券の上野チーフエコノミストは「日銀の追加利上げに関しては、直近の日本経済の指標は逆風になり得る」と指摘。
現在、日本経済ではインフレが進行しつつあり、FRBが利下げに動いていることを踏まえると、円高に動くカタリストとしては自然であると考えられる。一方で、2025年以降、FRBの利下げペースは緩やかになるとの予測もあり、現行の円高トレンドが持続的なものになるかどうかという点には疑問が残る。
上記の図(Yahoo Finance.comより)はドル円の1時間足チャートである。
この図を見れば、ドル円は大きく下落しており、円高トレンドとなっていることがわかる。
テクニカル分析の観点で言えば、5日移動平均線〜75日移動平均線を含めて移動平均線は綺麗な下落トレンドのフォーメーションを形成している。一方で、RSIは安値圏で推移しており、MACDでは反発によるゴールデンクロスが発生している状況だ。なお、週足レベルでは、151円付近に大きな抵抗帯が存在しており、そこを突破するかどうかが円高トレンド継続の鍵となりそうだ。
ファンダメンタルの観点では、前回のFOMCにてFRBは0.25ptの追加利下げを行い、日米金利差は縮小しつつある。一方で、以前として米国経済の堅調性は著しく、FRBの利下げペースが今後緩やかになるとの見方もある。よって、このまま継続的に円高になるかどうかは不透明である。
これらを踏まえると、12月のFOMCにおけるFRBの追加利下げなど、円高になりうるカタリストは存在しているものの、12月のFOMCまでに短期的には反発するのではないだろうか。
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