FXニュース:今夜の米国製造業PMIを控え
東西FXニュース – 2024年1月2日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
今日2024年 (令和6年) 1月2日火曜日の日本の東京外国為替市場は三賀日で休場ですが海外FX市場は平常営業のため、日本時間9時頃から17時頃までの東京外為取引時間相当の世界市場の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の141円9銭前後から円の安値でドルの高値の141円67銭前後の値幅約58銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時間は141円52~54銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の141円38~40銭付近の前東京終値比で約14銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、先週金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場では年末の利益確定と持ち高調整の米国債売りやドルの買い戻しが先行し、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時3.89%台付近に上昇し、日米金利差拡大時の円売りドル買いも相まって先週金曜の夜22時52分頃にドルは円相場で一時141円88銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録したが、先週金曜の夜23時に発表された最新米国経済指標の12月の米国シカゴ購買部協会景気指数が前回の55.8と市場予想の51.0に対し46.9と大幅に悪化したことを受けては、米国景気懸念により米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の早期の利下げ予想が一時再燃し、米国長期金利が一時3.85%台付近に向けて低下したため日米金利差縮小による円買いドル売りが入り始めた。
先週末の2023年12月29日金曜日の米国市場では来年にあたる今年2024年 (令和6年) 3月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の早期の米国利下げ予想も、市場予想値で有名な米国フェドウォッチ (CME FedWatch) で前日には0.25%の米国利下げ予想値が一時70.7%付近に低下していたものが71.9%に再上昇し、0.50%の大幅利下げ予想値は8.5%に後退したものの、金利据え置き予想は19.6%で、この時点では2024年の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の大規模緩和修正予想やマイナス金利解除予想も早ければ同時期になる可能性が一部予想で浮上しており、2023年には年間を通して約10円近い大幅な円安ドル高が進行した後であったためその反動もあり、午前1時の年末のロンドン・フィキシングの年末調整の利益確定や日米金利差縮小予想の持ち高調整で対ドルの円相場が反発上昇した。
また、同時進行していた米国ニューヨーク株式市場でも、今年の株高後の年末の利益確定や持ち高調整の株売りの影響で米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) とS&P500種 (Standard and Poor’s 500) とナズダック平均 (NASDAQ Composite) が揃って反落に転じたため、米国株安時のリスクオフ (リスク回避 / Risk-off) でドルから買える低リスク通貨の円が買われた影響もあり、先週土曜の朝2時55分頃にドルは円相場で一時140円79銭付近の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、米国市場終盤には一時低下後の米国長期金利が米国債市場の持ち高調整もあり、一時3.88%台に反発上昇してから年末の終値に向かったため、日米金利差拡大によるドルの買い戻しもやや再開したことでは、ドルは反発を始めた。
そのため、先週金曜の夜から土曜の朝までの昨年末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の141円88銭前後から円の高値でドルの安値の140円79銭前後の値動きで、昨年2023年12月30日土曜日の朝7時頃のニューヨーク終値を141円4円付近と前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約37銭の円高ドル安をつけていた。
年が明けた昨日2024年1月1日の元旦は世界FX市場が新年で休場だったが、休暇の中でも日本の能登半島のマグニチュード7を超える地震のニュースが世界ニュースになっていたが、この日の時点では3年以上前から続く地下水が原因と考えられていた群発地震発生のため、警告による早期避難により死者数はまだ数名程度と報道されていたため、その後に数十人規模との続報があったものの震度の割には比較的小規模との発表を受けて、以前の震災時にはリスク回避で低リスク通貨の円買いによる円高の値動きが出たが、世界の休日も開く中東バーレーン市場で一時やや円高に傾く窓 (Price Gap) 開きがあったものの、この時点での為替相場への影響は一時140円78銭付近までと先週末の米国市場での円の高値付近でまだ限定的であった。
世界市場の祝日明けの今朝1月2日の早朝には、今日はニュージーランドと日本とスイスが連休であるものの、他の世界市場は平日にあたるため、早朝のアジア・オセアニア市場でも一時はリスク回避で低リスク通貨の円が買われた影響がやや見られたが、窓埋めに近い利益確定売りや持ち高調整も入り始めたため、今朝9時頃の今日の日本の東京外国為替市場相当時間のドル円の一時141円9銭付近が今日の円の高値でドルの安値となった。
今朝9時頃にはシンガポールの最新経済指標の2023年10〜12月の四半期国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の速報値が発表され、前期比が前回の1.4%と前回修正の1.3%と市場予想の0.7%に対し1.7%と前期や市場予想よりも上昇し、東西をつなぐ大手投資銀行などもあるシンガポールの堅調な景気を受けたリスクオン (リスク選好 / Risk-on) でも低リスク通貨の円売りが続き、円相場が下落を始めた。
アジア市場では、続いて今朝10時45分頃に中国の最新経済指標の2023年12月の中国Caixin製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers Index) が発表され、前回の50.7と市場予想の50.3に対し50.8に上昇したことでも対ドル円相場では低リスク通貨の円が続落したが、アジアの株式市場では上海総合指数や香港ハンセン指数の下げがあったことはやや抵抗要因になっていた。
しかし、今日の日本のニュースでは、日中に警察庁が昨日の能登地震により石川県内でさらに追加の死傷者数が確認されたことなどが話題になり、この時点での死者数48名と地震の被害規模の拡大を受けた日本景気懸念により、日銀 (日本銀行 / BoJ ) が目標とする「賃上げを伴う2%のインフレ目標達成」が難航する可能性があることなどから、今年早期の日銀の早期のマイナス金利解除予想が後退し、今年早期の日米金利差縮小を見込んでいた円売りに繋がり、昼のニュースの頃の午前11時33分頃と12時28分頃に対ドル円相場は一時141円67銭付近の今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、テクニカル分析的なダブルトップの毛抜き天井をチャート上に描いたことでは、ドルの利益確定売りの抵抗も入った。
午後からの欧州英国市場の参入では、米国長期金利が一時3.91%台付近から今夜19時台の3.95%台方向に向かって上昇したため、日米金利差縮小による円売りでドルが円相場で再び上昇し始めた。
このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値相当時間は141円52~54銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の141円38~40銭付近の前東京終値比では約14銭の円安ドル高になった。
そして、今夜19時20分頃の英国ロンドン外国為替市場では、前述の米国長期金利が一時3.954%付近に上昇したため、日米金利差拡大時の円売りドル買いでドルは円相場で一時141円77銭付近にも上昇し、20時40分頃にも一時147円89銭付近と、欧州通貨に対する景気懸念で世界的に流動性の高い安全資産のドル買いもあって更に上昇を続けている。
ただし、今夜この後には米国市場も平日で開場予定のため、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時45分に12月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI) と、深夜24時に11月の米国建設支出が発表される予定である。
一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値相当時間は155円96〜97銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の156円47〜48銭付近の前東京終値比で約51銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、地震を受けたリスク回避の低リスク通貨の円買いの影響は、世界的に流動性が高い安全資産のドルよりもリスク市場に弱いユーロに対して顕著な影響を残した。
このため、ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値相当時間は1.1018〜1.1020ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.1065〜1.1067ドル付近の前東京終値では約0.47セントのユーロ安ドル高であった。
その後の今夜の欧州市場では欧州ユーロ圏の最新経済指標の発表があり、今夜17時50分に発表されたフランスの12月の仏製造業購買担当者景気指数 (PMI) 改定値は前回と市場予想の42.0に対し42.1に改善されたが不景気寄りの50以下で、17時55分のドイツの12月の独製造業購買担当者景気指数 (PMI) 改定値も前回と市場予想の43.1に対し43.3に改善はされたものの50以下に留まり、今夜18時に発表された欧州ユーロ圏総合の12月の欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI) 改定値) も前回と市場予想の44.2よりは改善された44.4であったものの、いずれも好景気と不景気のボーダーライン (境界線) の50を下回る不景気寄りの経済指標であったことでは、欧州景気懸念も燻っている。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値相当時間は180円18〜24銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の180円21〜27銭銭付近の前東京終値比では約3銭の円高ポンド安であった。
主な要因は、欧州ユーロ同様の景気懸念と先週金曜の英国インフレ鈍化の経済指標の影響があったほか、今夜18時半に英国ロンドン外国為替市場で発表された最新英国経済指標の12月の英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) 改定値が前回と市場予想の46.4に対し46.2と不景気寄りでさらに低下したことも英国ポンド売りの原因になったため、その後の20時台にはポンド円は一時179円台と、円相場でのポンドの下げ幅を広げている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年1月2日の日本時間(JST)20時32分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の11時32分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 20:32の為替レート | 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比 |
ドル/円 | 141.77 〜 141.78 | +0.39 (円安) |
ユーロ/円 | 155.64 〜 155.65 | −0.83 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0977 〜 1.0978 | −0.0088 (ドル高) |
英ポンド/円 | 179.63 〜 179.69 | −0.58 (円高) |
スイスフラン/円 | 167.05 〜 167.11 | −1.01 (円高) |
豪ドル/円 | 96.37 〜 96.41 | −0.23 (円高) |
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