FX週間レポート (7月第2週)|保護貿易主義の上昇リスクは依然あり、新たな成長の兆しを見せる
今週の為替相場の見通し:
保護貿易主義の上昇リスクは依然として存在するが、米国以外の成長指標は最近の激しいドル高を背景とした米国の成長が例外的かつ短期的であるといった予測に反し、新たな成長の兆しを見せている。
移民問題に対する 妥協案取り入れの予想によってドイツ政府の分離が避けられたことによってEURは支持され、欧州での活動の安定化への期待からドイツの製造工場受注が増加した。1.1720を超えた終値はユーロ/米ドルが 1.2060より手前の1.1870まで強まる可能性を実証している。エマージングマーケット通貨に対するユーロ/米ドル安はすでに最悪の時を抜けた可能性がある。
最近の米ドル高は、外国の中央銀行がよりタカ派になっているため、転換のリスクが高い。対照的に、6月の米国の雇用統計によると、米国経済は、大きなインフレ圧力もなく、トレンドペース以上の成長余地能力があることから、連邦準備制度の強気姿勢の緩和が期待されている。
中国当局は、人民元を利用して通貨戦争を始めないことへの保証が、アジア通貨を救済している。6.7000は米ドル/中国人民元に対する即時抵抗のままであり、 6.6490で支持されており、より長期的な引き戻する可能性は、6.5960に下回ると大幅に強まる。
毎週のマクロ経済のアップデート
火曜日 (7月10日)
• 中国消費者物価指数 -インフレは依然として抑えられている- ゆるい信用政策は制約されていない。 週の通貨データから政策転換の兆候を見る必要がある。
水曜日 (7月11日)
• カナダ中央銀行 – 1年前に始まったサイクルの4回目の値上げが設定される。 貿易の脅威から、カナダ中央銀行が躊躇する可能性がある。
木曜日 (7月12日)
• 米国消費者物価指数 – 石油価格は消費者物価指数インフレを3%に押し上げる。 コアインフレ率も上昇し、6月には2.3%の成長を見込んでいる。
金曜日 (7月13日)
• 米国ミシガン大学 – 消費者心理は依然として異常に強い。 インフレ期待上昇の兆候を見守る必要がある。
経済見通し: 現在の経済発展の最善点はまだ後方にあるが、景気後退が差し迫っていると主張するのは時期尚早である。現在の貿易摩擦の深刻化によって妨げられなければ、低インフレは少なくとも2019年後半まで回復が持続するよう緩い政策が促進されるとみれる。