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FXニュース:米FRBのウォラー理事の発言

FXニュース:米FRBのウォラー理事の発言

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FXニュース:米FRBのウォラー理事の発言

FXニュース:米FRBのウォラー理事の発言

東西FXニュース – 2023年05月25日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日米金利差拡大の円安ドル高
  • 2022年11月以来の139円台
  • 米債務上限問題で格付け懸念
  • 米株安で株売りドル買い戻し
  • 日本株回復時の円売りも影響

今日2023年5月25日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値139円70銭前後から高値139円26銭前後の値幅約44銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は139円35~37銭付近と、前日同時刻の前東京終値比で約71銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動き要因と世界FX市場のトレンド動向は、昨日の東西FXニュースでも予定をお伝えしていた通り、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク (NY) 外国為替市場時間に次回6月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のウォラーFRB理事の発言があり、「6月に利上げをするか見送るかは、今後のデータ次第」であるとしながらも、「米国のインフレが目標の2%になるとの明確な確証がない限りは、利上げの終了は支持していない。7月の利上げが適切な政策となる可能性も、充分にある」等というタカ派発言があり、これまでにも複数の米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達も米国利上げ継続を支持していた影響もあって米国利上げ長期化予想が強まり、米国長期金利が上昇し、日米金利差拡大による円売りドル買いに加えて、主要通貨全般に対するドル買いが優勢になり、138円台で推移していたドルは円相場で139円台に上昇した。

また、前回5月2〜3日開催分の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 議事録も公開され、米国連邦準備制度理事会 (FRB) 内部で今後の米国政策金利や金融政策についての意見が分かれていたことが明らかになり、メンバーの何人かは米国インフレ鈍化ペースの遅れから、「さらに追加の利上げが正当化されるかもしれない」としており、要旨を受けて米国新政策金利の市場予測値を示すフェッドウォッチ (CME FedWatch Tool) では、次回6月の米国利上げ継続予想が35.3%に小幅上昇し、例え6月が64.7%の見送り予想でもウォラー理事の発言を受けて7月以降にも追加利上げが行われる可能性も出てきたことで、米国利上げ長期化予想により、金利抑制の日本銀行 (日銀 / BoJ) との金融政策の方向性の違いから、日米金利差拡大予想による一部の円売りドル買いも加わった。

また、同時進行していた米国ニューヨーク株式市場でも、米国連邦債務上限問題に関する米国政府と米国与野党の協議について、米国共和党の交渉担当者のうちの一名だったグレイブス下院議員が、「まだ進展はない」と発言したことが原因で、リスク回避の株売りでダウ平均株価 (DJI) が一時300ドル以上も急落するなど欧米株式市場が一時下落したため、米株安時のリスク回避のドルから買える低リスク通貨の円買いの後に円相場が日米金利差で下落トレンドであったために、今後は低リスク通貨の円売りで買える世界的に流動性の高い安全資産でもあるドルの買い戻しの方が強まった。

ただし、米国連邦債務上限問題についての協議は今朝未明から再開したために再び様子見の動きも入り、米国共和党マッカーシー下院議長は、記者会見で、「米国連邦債務上限問題の協議で依然として大きな隔たりはあるが、妥結は可能で、デフォルトにはならない」ことや、「少しずつ、事態は好転してきている」とフォローアップの発言もしていた。

一方で、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の利上げ長期化予想の強まりで米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇したほか、米国金融政策の影響を受けやすいと考えられている米2年債利回りも上昇し、今朝未明には米国5年債の入札もあったことなどで、日米金利差拡大による円売りドル買いや、リスク回避市場に弱い欧州ユーロや英国ポンドなどの主要通貨に対するドル買いは優勢であった。

主要通貨に対するドルの強さを示したドル指数は、一時103.91付近の3月20日以来の高値を記録し、対ドル円相場でも今朝までの米国市場の終盤近くの今朝5時半過ぎに一時139円47銭付近と5時55分頃に一時139円48銭付近の2022年11月30日以来のおよそ半年ぶりの円安ドル高を記録を更新した。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値138円37銭前後から安値139円48銭前後の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値は139円47銭付近と、前日同時刻の前ニューヨーク終値比で約88銭の円安ドル高であった。

続いて時差で始まった今朝早朝のオセアニア市場では、英国ロンドンと米国ニューヨークに拠点を置く金融格付け情報提供民間企業のフィッチ・レーティングスが、米国連邦債務上限問題の先行き不透明のリスクなどから米国長期外貨建て発行体格付けウォッチを「ネガティブ」にしたと発表したことを受け、米国連邦債務上限が引き上げ合意に至らなければ格下げされる可能性があることでドルから買える低リスク通貨の円買いが抵抗要因となり、これまで139円台で推移していた上昇トレンドのドルが一時138円台後半に急落する抵抗が入ったが、他にも米国のムーディーズS&Pなどの格付けがあり、世界に数ある格付け会社の1つに過ぎないこともあったことでは、一時的な抵抗要因に留まった。

今朝9時から始まった日本の東京外国為替市場では、再び米国トレンドを受け継いだ日米金利差拡大による円売りドル買いが優勢になりドルが上昇を続けたため、今朝9時1分頃の一時139円26銭付近が今日の日本市場での円の高値でドルの安値となった。

今朝9時55分の仲値決済に向けても、今日は25日で日本企業の貿易関連の決済日が集中しやすい「5と10が付く日の五十日」であったために、輸入実需の円売りドル買いが優勢で、ドルは円相場で上昇を続け、10時過ぎには今朝までの米国市場でつけたドルの高値の139円台中盤をさらに上抜けて、139円台後半へと円安ドル高が拡大していった。

また、今日は日経平均株価が、日本の半導体関連企業の株価上昇を受けて一時200円以上も上昇回復をしていたことも、以前の日本株安時のリスク回避で買われていた低リスク通貨の円売りと上昇トレンドのドル買いを促し、為替相場での円相場下落に影響を及ぼした。

昼の12時台にはドル円は139円70銭付近の2022年11月30日以来の円安ドル高記録を更新し、12時28分頃と31~37分頃にかけて高値圏に留まって推移したが、短時間のダブルトップ以降も時間をかけても上抜けできなかったことや、6月がデフォルト期限と考えられている米国連邦債務上限引き上げ問題に関するイベントリスクもあって持ち高調整と様子見の姿勢が入ってきたこともあり、12時台の139円70銭付近が今日の日本市場での円の安値でドルの高値となり、次第に高値のドルの利益確定売りや安値の円買いの抵抗が入り始めた。

午後からの欧州市場の参入では、午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの1~3月四半期の独国内総生産 (GDP) の改定値が、前期比は以前の0.0%の横ばいと市場予想から-0.3%へ下方修正され、前年同期比では前回と市場予想の-0.1%に対し-0.5%と、2四半期連続のマイナス成長になり、ドイツがリセッション入りとなった影響があり、欧州株式市場は全面安で始まり、欧州株安時のリスク回避の安全資産のドルや低リスク通貨の円買いに加えて、安全資産の米国債買いでは時間外の米10年債の利回りが低下したことなどを受けて、円安ドル高の範囲内でも日米金利差縮小時の円買いドル売りの抵抗が強まった。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は139円35~37銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約71銭の円安ドル高になった。

今夜この後にも、最新米国重要経済指標の発表予定などがあり、日本時間で今夜21時には1~3月四半期の米国実質国内総生産 (GDP) や米国GDP個人消費、米コアPCEが発表されるほか、同時に前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数も発表されるイベント時間があり、続いて22時50分頃から米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国リッチモンド連銀のバーキン総裁の発言予定、23時に4月の米国中古住宅販売保留指数、23時半頃から米国ボストン連銀のコリンズ総裁の発言予定、26時に米国7年債の入札予定などがあり、また、米国連邦債務上限問題協議に関するニュースも値動きに影響を及ぼす可能性があるために、最新発表やニュースによるボラティリティー (価格変動) には注意が必要である。

欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は149円41~43銭付近と、昨夜17時の前東京終値比で約9銭の円高ユーロ安であった。

ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0721~1.0722ドル付近と、昨夜17時の前東京終値比で約0.62銭のユーロ安ドル高であった。

主な原因は、前述の通り、欧州ユーロ圏主要国のドイツの経済指標の悪化とリセッション入りを受けた景気懸念で、欧州株安時の安全資産のドルや低リスク通貨の円がユーロに対して買われた影響がユーロ安として出ていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は172円19~25銭付近と、昨夜17時の前東京終値比で約22銭の円高ポンド安であった。

主な原因は、昨日のニュースでもお伝えしていた英国景気懸念に加えて、今日の欧州株安時には元欧州の英国ポンドも欧州ユーロ同様に安全資産のドルや低リスク通貨の円に対して売られやすくなっており、今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、英ポンドドルは一時5週間ぶりの安値も記録していた影響の波及もあり、英ポンドは低リスク通貨の円に対しても下げていた。

ただし、昨日発表された英国立統計局 (ONS) の英国のコアインフレ率は約31年ぶりの高水準のインフレ記録で、英国中央銀行イングランド銀行 (BoE) の高インフレ抑制のための利上げ継続予想もあるために、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、日英金利差拡大予想による円の利益確定売りと英国ポンド買いも入り、19時台には小幅な円安ポンド高に市場転換もしている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年5月25日の日本時間(JST)19時19分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時19分) の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである

通貨ペア JST 19:19の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 139.49 ~ 139.50 +0.85 (円安)
ユーロ/円 149.64 ~ 149.66 +0.14 (円安)
ユーロ/ドル 1.0727 ~ 1.0729 -0.0056 (ドル高)
英ポンド/円 172.57 ~ 172.63 +0.16 (円安)
スイスフラン/円 153.92 ~ 153.98 -0.12 (円高)
豪ドル/円 91.08 ~ 91.12 -0.12 (円高)

 

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