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FXニュース:今夜米CPI発表前の持ち高調整

FXニュース:今夜米CPI発表前の持ち高調整

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FXニュース:今夜米CPI発表前の持ち高調整

FXニュース:今夜米CPI発表前の持ち高調整

東西FXニュース – 2023年05月10日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米NY連銀総裁がインフレ発言
  • 長期金利上昇時の日米金利
  • 米債務上限問題警戒リスク回避
  • 欧ECB独連銀総裁の利上げ示唆
  • BoEのMPC開始で新金利予想

今日2023年5月10日水曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値135円46銭前後から高値135円6銭前後の値幅約40銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は135円24~25銭付近で、昨日17時の前東京終値比で約44銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動き要因とFX取引市場および世界市場のトレンド動向の分析は、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク (NY) 外国為替市場では、今夜この後に発表予定の米国連邦準備制度理事会 (FRB) も注目する4月の米国消費者物価指数 (CPI) を控えた持ち高調整が進んでおり、米国のインフレ高止まりを示す様な結果になれば、次回で利上げ停止予想が優勢だった米国金利予想に今後影響を与える可能性もあることなどから、日米金利差拡大予想への警戒感もあり、今週は米国債入札予定が続くために米国債売りも相まって米国10年債利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、日米金利差拡大時の円売りドル買いが優勢になり、ドルは円相場で一時135円36銭付近を記録していた。

一方、米国金融システム不安の後の米国債務上限問題の懸念によるリスク回避の低リスク通貨の円買いも続いており、昨日の日本市場でドルの高値の135円32銭を超えたことで、イベントリスクもある高値のドルの早期の利益確定売りと安値の円買いの抵抗も入り始め、昨夜の深夜24時前には一時134円96銭付近に対ドルの円相場が反発を見せた。

しかし、25時5分頃からは、前回の東西FXニュースでも予告していた通り、米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言があり、「米国インフレ率は、なお高止まりしている。年内に利下げをする理由は、見いだせない」ことや、「米国インフレは高すぎる。追加利上げが適切な場合には、実施する」とタカ派の内容も含んでいたことなどから、日米金利差拡大予想の円売りドル買いが再び強まり、26時前には一時135円27銭付近にドルが円相場で再び上昇した。

ただし、6月が期限になる可能性のある米国連邦債務上限問題についての米国のバイデン大統領と米国議会指導部による協議の結果の様子見や、翌米国市場にあたる今夜この後に最新米国重要経済指標の4月米国消費者物価指数 (CPI) のイベントを前にした調整後の様子見や、イベントリスクのドルの買い控えなどの抵抗要因もあったことでは、その後にはやや方向性を欠いた横ばいに近い値動きも混じった。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場は、円の安値135円36銭付近から高値134円96銭付近の値動きをし、今朝6時頃のニューヨーク終値は135円23銭付近で、前日同時刻の前ニューヨーク終値比で約13銭の円安ドル高であった。

その後に始まった今朝早朝のアジア・オセアニア市場を中心とした世界市場でも、日米金利差拡大による円売りドル買いがあり、今朝8時50分頃には再びドルは円相場で一時135円34銭付近に達したが、ほぼ同時に発表された日本の最新経済指標の4月外貨準備高が前回の1兆2571億ドルから1兆2654億ドルに増加していたことなどもあり、その後には今夜の重要度の高い米国最新インフレ指標の4月の米国消費者物価指数 (CPI) 発表イベント前のドルの高値の利益確定売りや安値の円買いの抵抗が入ったが135円台で推移した。

今朝9時から始まった今日の日本の東京外国為替市場では、今日は10日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすいと言われる「5と10が付く日の五十日 (ゴトービ) 」で、日本企業の輸入実需の円売りドル買いに続いては、135円台では輸出企業のまとまった円買いドル売りや、投資系の今夜のイベント前の持ち高調整の高値のドルの利益確定売りと円の買い戻しなどが入り、今朝10時3分頃には一時135円6銭付近の今日の日本市場での円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今日の日本市場のドルの安値からは日米金利差拡大や拡大予想による円売りドル買いが入りやすく、再びドルが円相場で上昇を続け、欧州市場が参入を始める午後15時23分頃には、時間外の米国債券市場で米国2年債の利回りが上昇したこともあり、今日の日本市場での円の安値でドルの高値の一時135円46銭付近を記録した。

なお、今日の午後14時頃には日本の最新経済指標も発表されており、3月景気一致指数 (CI) の速報値は前回の98.6と前回修正と市場予想の98.7に一致した98.7であったが、3月景気先行指数 (CI) 速報値は前回の98.0と前回修正の98.2と市場予想の97.9に対し97.5とやや弱かったことなどでも円売りの一因があった。

今日の日本市場でのドルの高値からは利益確定売りや安値の円買いの抵抗が入り始めたが、日米金利差拡大もあり、再び16時9分頃に135円42銭付近のダブルトップが前回を上抜けなかったこともあり、イベント前のドルには利益確定や持ち高調整が強まった。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は135円24~25銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約44銭の円安ドル高になった。

今夜この後には、最新米国経済指標の発表予定や米国債入札予定などがあり、日本時間での今夜のスケジュールは、今夜20時に米国MBA住宅ローン申請指数、そして、今夜21時半に米国連邦準備制度理事会 (FRB) も注目している重要度が高い米国インフレ指標の4月の米国消費者物価指数 (CPI) 、23時半には米国週間原油在庫、26時に米国10年債入札予定、27時には 4月の米国月次財政収支なども発表される予定である。

特に、今夜の米国消費者物価指数 (CPI) の結果次第では、今後のドル買いまたはドル売りが円相場でも強まる可能性が指摘されている。

また、米国株式市場でも主要企業の決算報告期が続いており、欧米株安時のリスク回避、もしくは株高時のリスクオンなどの、債券市場や為替相場などへの値動きの影響にも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は148円21~22銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約25銭の円安ユーロ高であった。

主な原因は、昨夜にも欧州中央銀行 (ECB) 理事会メンバーの欧州ユーロ圏のドイツ連銀のナーゲル総裁が「欧州のインフレ率は高すぎる。欧州金利は、更に上昇するだろう」とタカ派の発言をしており、欧州中央銀行 (ECB) のシュナーベル専務理事も、「欧州インフレを目標の水準に戻すために、更に多くのことを実行しなければならない。市場想定の年末までに利下げを行う可能性は、著しく低い」などタカ派発言も相次いでいたことは、日欧金利差拡大予想が優勢だった。

しかし、今日の夕方の欧州株価指数の一時下落時には、リスク回避で低リスク通貨の円が買われる抵抗も入っていた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0958~1.0960ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比で約0.18セントのドル高ユーロ安であった。

主な原因は、昨夜の欧州英国市場と米国市場では、今月の米国商品先物取引委員会 (CFTC) のデータで、米国シカゴ通貨先物市場の投資系のユーロの買い越し幅が2020年10月以来の17万枚を超えた高水準になっていたことから、これまでに次回で利上げ停止予想が出てきていた米ドルに対して、欧州中央銀行 (ECB) の利上げ継続と長期化予想で買われてきたユーロにやや買われ過ぎとの専門家指摘の持ち高調整が入り、また前述の米国長期金利の上昇時の欧米金利差もあり、持ち高調整のユーロ売りドル買いが優勢になった。

ただし、前述の米国債務上限問題に関するリスクや、今夜の米国重要インフレ指標の米国消費者物価指数 (CPI) 発表前のイベントリスクによるドルの買い控えの様子見は対ドルのユーロの抵抗要因になっていた。

なお、今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国のドイツの最新経済指標の4月の独消費者物価指数 (CPI)の改定値は、前月比が前回と市場予想一致の0.4%で、前年同月比も前回と市場予想通りの7.2%の横ばいであった。

今夜21時には、欧州連合 (EU) のポーランド中央銀行の新政策金利発表の予定もある。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は170円67~73銭付近で、昨夜17時の前東京終値比とほぼ横ばいのレンジ圏に近かった。

英国中央銀行イングランド銀行 (BoE) は、今日から明日にかけて金融政策委員会 (MPC) を開催し、明日、英国新政策金利を決定し発表する予定である。

イギリスの記録的な高インフレを受けた英国利上げ継続予想で、日英金利差拡大予想が優勢であったものの、つい先日に約1年ぶりと言われた英ポンド高ドル安の記録後であったためにイベント前の持ち高調整が入りやすく、イベントリスクの英国ポンドの利益確定売りや持ち高調整や買い控えが抵抗要因となり、横ばいに近いレンジ付近の推移を見せていた。

ただし、今夜その後の19時台の英国ロンドン外国為替市場では、イベントリスクでの低リスク通貨の円買い抵抗もあり、小幅な円高ポンド安に転じている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年5月10日の日本時間(JST)19時6分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時6分)の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:06の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 135.15 ~ 135.16 +0.35 (円安)
ユーロ/円 148.09 ~ 148.10 +0.13 (円安)
ユーロ/ドル 1.0956 ~ 1.0958 -0.0020 (ドル高)
英ポンド/円 170.60 ~ 170.66 -0.07 (円高)
スイスフラン/円 151.75 ~ 151.81 -0.05 (円高)
豪ドル/円 91.29 ~ 91.33 -0.13 (円高)

 

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