東西FXマーケットコメント – 2024年9月23日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
9月2~3週目でFRB、ECB、BOJ、BOEの4つの中央銀行で金利政策が発表された。
主な結果は以下の表の通りである。
中央銀行 | 発表された金融政策 |
FRB | 0.5ptの利下げ |
BOJ(日本銀行) | 金利据え置き |
ECB | 0.25ptの利下げ |
BOE | 金利据え置き |
この中でも、FRBの0.5ptの利下げはマーケットにとってもサプライズであり、先週のマーケットを大きく動かすカタリストとなった。
一方で、日銀は20日の政策金利発表で金利を据え置くことを決定した。また、FRB議長パウエル氏/日銀上田総裁は会見でそれぞれ、今後の利下げ/利上げに慎重な姿勢を見せた。
これらのことから、ドル円は139円から一気に144円付近まで吹き上がり、ドル高円安トレンドに回帰する展開となった。
対ポンドや0.25ptの利下げを発表した対ユーロでさえ、今週後半は円安が進展した。
上田総裁の会見での発言から、日銀の先行きに関する不透明感が強まっている。マーケットは不透明性には基本的にネガティブであるため、為替市場では、短期的に円安展開が予測されるだろう。
ユーロ円テクニカル分析〜値動きと今後のトレンド〜
上記の図(Yahoo Financeより)はユーロ円の日足チャートである。
この図を見ると、ユーロ円は2024年7月に大きく下落して以降、156円〜162円付近でレンジ相場を形成していることがわかる。
テクニカル分析の観点でも、75日移動平均線は下向きになっている一方で、フォーメーション的にはダブルボトムを形成しつつあり、短期的な上昇が予測される展開となっている。
オシレーター指標を見ると、RSIは中立であり、MACDでは、MACDラインがシグナルラインを上抜けするゴールデンクロスが確認できる。
ファンダメンタル的にも、日銀が9月会合で金利を据え置き、今後の動向の不透明感が強まったことで、円売りの勢いが強まることが予測される。
これらのことを踏まえれば、ユーロ円は短期的に上昇する可能性が高いと思われる。