東西FXマーケットコメント:中国9月CPIは予想下回る!経済回復期待は後退?
東西FXマーケットコメント – 2024年10月14日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、中国9月CPIが予想を下回った件について、ヨーロッパやその他の国際経済との関連性を踏まえながら、詳しい内容とマーケットへの影響について解説していきます。メインテーマは中国CPIの悪化と中国株価指数の大幅下落。
中国9月CPIは予想を下回る。中国経済回復期待は後退?
10月11日、中国の9月CPIが発表された。
CPIは昨年同月比ベースで市場予想0.6%に対して、0.4%となり、コアCPIは0.1%と8月の0.3%を下回る結果となった。生産者物価指数(PPI)も市場予想-2.6%に対して、実現値-2.8%と市場予測を下回ることとなった。
これらの結果は、中国人民銀行が先日発表した政策金利、預金準備率、住宅ローンの引き下げなどを盛り込んだ大規模な景気支援策の必要性を裏打ちしている。
Bloomberg Newsによれば、中国経済は1990年以降最長となるデフレ期に直面しているとのこと。9月CPIの結果を受けて、中国株式指数は大幅下落。上海A50は16000から14000まで下落した。
中国経済は欧州や豪州経済と密接に関連している。9月CPIの結果から、欧州や豪州経済の更なる軟化が予測されるとともに、ますます米国経済の堅調性が目立つ。よって、ユーロや豪ドルベースではドル高が進展すると予測される。
中国上海総合指数テクニカル分析〜値動きと今後のトレンド〜
上記のチャート(Yahoo Financeより)は中国上海総合株式指数のチャートを示している。
このチャートを見れば、2024年以降、中国上海総合株式指数は9月まで下落トレンドに入っており、そこから急上昇していることがわかる。
ファンダメンタル的に言えば、これらの上昇は中国当局が発表した大規模な景気支援策のおかげであり、直近の下落は9月CPIが予想以上に悪化したことに起因している。
テクニカル的な観点では、RSIは以前まで買われすぎを示唆していたものの、現在は中立である。MACDも特に今後のトレンドを示唆してはいない。一方で、75日移動平均線は上向きになってきており、25日移動平均線とのゴールデンクロスが起こりつつある。
中国経済は現在デフレ状態であり、当局の景気支援が始まったばかりである。もし直近発表された景気支援策がワークすれば、10月以降のCPIやGDP成長に反映されるはずだ。そうなった場合、米国株式市場と比べた割安性から、中国株は更なる大幅な上昇が期待される。
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