FXニュース:今夜から米FOMC始まる
東西FXニュース – 2024年9月17日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
今日2024年9月17日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の140円84銭付近から、円の高値でドルの安値の140円32銭付近の値幅約52銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は140円62〜63銭付近と、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の140円90〜91銭付近の前東京終値比では約28銭の円高ドル安であったが、世界市場の前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の139円87〜88銭付近と比べると約75銭の円安ドル高と、ドルは一時の下げ幅は縮めていた。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のファンダメンタルズのマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日のアジア市場では日本市場と中国・韓国・インド市場は祝日休場で市場流動性が減少していたが、平日営業だった世界市場では、今夜この後の9月17日から米国現地時間の18日 (日本時間では時差で19日未明) まで開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で、米国中央銀行制度にあたる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が米国利下げを始める市場予想値が100%の確定値で推移を続ける中で、欧米メディアのニュース報道を受けて米国大幅利下げ予想値の割合が上昇して優勢に転じた一方で、米国小幅利下げ予想値が後退するという日米金利差縮小予想を受けた円売りドル買いで世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場が昨日の日本時間の午後から本格参入したため、昨日の午後16時36分にドルは円相場で一時139円58銭付近と、2023年7月以来の今年最大の円高ドル安を記録していた。
しかし、その後の英国ロンドン外国為替市場では、今夜から始まる2日間の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) に続き、今週の9月19〜20日には日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) も2日間の日銀金融政策決定会合を控えており、先週に日銀の田村直樹審議委員が「2026年の後期までに少なくとも1%程度の追加利上げ」を示唆する発言はしたものの、前回の日銀の追加利上げ後に起きた日経平均株価の暴落後であることなどから、金融市場の安定性を注視して配慮した「欧米よりも穏やかな利上げペース」が見込まれていたことでは、今回の日銀金融政策決定会合では連続での追加利上げの可能性は低いという市場予想が意識され、米国大幅利下げ予想が市場で織り込み済みになり調整が一巡し始めたこともあり、日米金融政策のイベント週を控えたイベントリスクにより、今年の最高値を記録後の円の利益確定売りや安値後のドルの持ち高調整とショートカバーなどの買い戻しが入り始めたほか、イベント前の持ち高調整や早期の利益確定に続く様子見の値動きも混ざり始めた。
そのため、昨夕の英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時139円89銭付近で、昨夜21時2分頃の一時139円75銭付近が米国市場の円の高値でドルの安値となり、その後にはドルが円相場で反発した。
また、昨夜21時30分に発表された最新米国経済指標の9月の米国ニューヨーク連邦準備銀行 (NY連銀 / Federal Reserve Bank of New York) 製造業景気指数が、前回マイナス圏だった-4.7と市場予想の-4.0を大幅に上回るプラス圏の11.5に上昇する米国景気好感のサプライズがあったことも、円相場や主要通貨に対するドルの買い戻しを進めた。
一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国大幅利下げ予想値が上昇して優勢に転じたことを受けて高金利への警戒感が緩和され、米国主要株価三指数の中でも金利に敏感な米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が連日で大幅な続伸を続け、史上最高値の記録を更新したことから、米国株式市場のブル・マーケット (Bull market / 強気市場) 特有のリスク選好のリスクオン (Risk-on) でも低リスク通貨の円が利益確定売りされたほか、世界的な安全資産の米国債が利益確定で売られた影響で、米国ニューヨーク債券市場では、米国債券価格反落時の利回り反発が起き始めて、昨夕の日米金利差縮小予想で低下後の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が反発上昇し、昨夜22時35分頃から昨夜23時頃には米国長期金利は一時3.656%付近で高止まりを続けたことから、債券利回りを受けた金利差トレードでもドルが買い戻されて、深夜24時のロンドン・フィキシング (London Fixing) の値決め時間にも世界的に流動性が高い主要取引通貨のドル需要があったため、深夜24時51分頃にはドルは円相場で一時140円91銭付近に反発し、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、米国主要株価三指数の中では、米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) は史上最高値を更新後にも大幅続伸の終値に向けたが、世界的なハイテク企業の比率が多い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は前日までの大幅続伸の後の利益確定売りもあって反落し、前営業日比で小幅安の終値に向けたことでは、世界的な安全資産の米国債には再び買い戻しが入り米国長期金利が反落を始めたことでは、再び債券利回りを受けた金利差売買の日米金利差縮小もあって低リスク通貨の円が買い戻される値動きも混ざったことでは反発後のドルには抵抗が入り始めたが、米国S&P 500種 (Standard and Poor’s 500 index) は前営業日に続き小幅ながらも続伸の終値に向けたことでは、米国主要株価三指数中の二指数は上昇トレンドであったため、低リスク通貨の円売りと投資用のドル買いの影響では、ドルは円相場で140円台後半の推移を続けた。
米国ニューヨーク債券市場では、米国大幅利下げ予想値の上昇を受けた日米金利差縮小予想による米国長期金利低下の影響が残り、今朝早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は反落後も3.619%付近に低下しており、前営業日比で-0.028の低利回りで引けたことでは、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響が見られた。
このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の139円75銭付近から、円の安値でドルの高値の140円91銭付近の値幅約1円16銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は140円62銭付近と、米国市場の前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の140円85銭付近と比べると約23銭の円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、昨日に続きアジア市場では今日も中国市場が中秋節の祝日連休で韓国市場も秋夕の祝日休場であったが、早朝から始まったニュージーランドのウェリントン市場やオーストラリアのシドニー市場の英語圏を中心としたオセアニア市場では、今朝8時18分頃に前述の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が史上最高値を更新後に大幅続伸をしたことや、米国ニューヨーク連銀製造業景気指数がサプライズ上昇したニュースなどを受けたドルの買い戻しが入り、今朝8時18分頃にドルは円相場で一時141円24銭付近と、今日のオセアニア市場の円の安値でドルの高値を記録していた。
今朝早朝に一時141円台の高値を記録後のドルには今夜この後から1日目が始まる米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベントを控えた早期の利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めたが、世界市場でのドル買い戻しの影響が残っていた今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時140円79銭付近の始値で、今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時記録した一時140円84銭付近が、今日の日本市場での円の安値でドルの高値となった。
連休明けの日本市場では、今週の日銀金融政策決定会合を控えたイベントリスクの影響などもあり、昨日の今年最大の円高ドル安を受けた海外投資家達が以前の円安時に買った日本株を円高時に利益確定売りして為替差益でも利益率を増やす投資戦略を好んでいた経緯などもあって、昨日の円高進行時には日本市場は祝日休場中であったため、今日の日本市場の再開後から売りのオーダーが入り始めて、今日の東京株式市場では日経平均株価が日本市場の連休前の前営業日に続いて大幅な続落を始めたことから、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買われて円相場が上昇した。
今日の東京株式市場では、日経平均株価が今朝11時台に前営業日比で一時752円62銭安と最も大幅な下落を見せていた影響があり、低リスク通貨の円買いが勢いを増したため、今朝11時11分頃にドルは円相場で一時140円32銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、その後には、日本の主要取引先である米国の主要株価三指数中の二指数が今朝早朝に上昇して終えていた影響もあり、日経平均株価が下げ幅を縮め始めたことでは、高値後の低リスク通貨の円には利益確定売りや持ち高調整が入り始めたほか、時間外の米国債券取引では米国長期金利が上昇した影響もあり、午後14時9分頃にはドルは円相場で一時140円80銭付近にまで買い戻されていた。
午後15時頃には、今日の日経平均株価は一時の大幅な下げ幅を半分近く縮めて3万6203円22銭の終値をつけ、前営業日比378円54銭安で大引けした。
午後からの欧州市場の参入も始まり、今日の時間外の米国債券取引では米国長期金利が午後15時5分頃には一時3.637%付近に上昇した。
夕方の16時台には、欧州本土からやや時差遅れの英国ロンドン外国為替市場の本格参入もあったことでは、今夜この後からの米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベントリスクの影響もあり、上昇後の米国長期金利が反落し、午後16時15分頃に一時3.610%付近に低下したことでは、再び債券利回りを受けた日米金利差トレードの円買いドル売りも入った。
今日の夕方の英国ロンドン外国為替市場の参入の頃には、米国金利先物のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) ツールは、今夜9月17日から米国時間の明日18日に向けて開催される米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅の市場予想値が、0.25%の米国小幅予想値が英国市場の前営業日同時刻の昨夕の一時 41.0%付近から一時33%付近に更に後退しており、その一方で0.50%の米国大幅利下げ予想値は英国市場の前営業日同時刻の昨夕の一時59.0%付近から更に上昇した一時67.0%付近と、優勢に転じた後に市場で確定値と考えられている70%に近づいたことでは、日米金利差縮小予想は優勢であった。
このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は140円62〜63銭付近で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の140円90〜91銭付近の前東京終値比では約28銭の円高ドル安で、世界市場の前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の139円87〜88銭付近と比べると約75銭の円安ドル高とドルは昨日の年内最安値からは下げ幅を縮めていたが、イベントリスクやイベント前の様子見の値動きなどもあり、円相場での大幅な買い戻しには至らなかった。
今夜この後の米国市場では、米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の1日目を開始するほか、最新米国経済指標の発表予定や米国債の入札予定などがあり、日本時間の経済市場カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に8月の米国小売売上高と、今夜22時15分に8月の米国鉱工業生産と米国設備稼働率、今夜23時に7月の米国企業在庫と9月の全米住宅建設業者協会 (NAHB / National Association of Home Builders) 住宅市場指数、26時に米国20年債の入札予定などを控えている。
なお、日本は時差で米国に先行していることから、米国現地時間で9月18日までの米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 終了後の結果発表は、日本時間では翌朝未明の9月19日未明の午前3時頃の予定になり、その30分後から市場注目度の高い米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の定例記者会見が始めることには注意が必要である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は156円57〜59銭付近で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の156円29〜30銭付近の前東京終値比で約28銭の円安ユーロ高で、世界市場の前営業日同時刻の昨日17時の155円46〜48銭付近と比較すると約11銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、先週に欧州中央銀行 (ECB) 理事会のイベントリスク経過後に、今週は日米の金融政策決定会合のドルと円のイベントリスクを控えていることで、欧州ユーロの買い戻しが入っていた。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1133〜1.1135ドル付近と、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.1091〜1.1093ドル付近の前東京終値比で約0.43セントのユーロ高ドル安で、世界市場の前営業日同時刻の昨日17時の夜の1.1114〜1.1115ドル付近と比較すると約0.19セントのユーロ高ドル安であった。
英国ポンドにも、欧州ユーロと同様に今週のイベントリスクの持ち高調整が入っており、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は185円86〜92銭付近と、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の185円25〜31銭付近の前東京終値と比べて約61銭の円安ポンド高になり、世界市場の前営業日同時刻の昨日17時の夜の184円23〜29銭付近と比べると約1円63銭の大幅な円安ポンド高になった。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年9月17日の日本時間(JST)19時49分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時49分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
通貨ペア | JST 19:49の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 140.65 〜 140.66 | −0.25 (円高) |
ユーロ/円 | 156.60 〜 156.62 | +0.31 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.1132 〜 1.1134 | +0.0041 (ドル安) |
英ポンド/円 | 185.81 〜 185.87 | +0.56 (円安) |
スイスフラン/円 | 166.49 〜 166.55 | +0.36 (円安) |
豪ドル/円 | 95.03 〜 95.07 | +0.35 (円安) |
注意:
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