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FXニュース:今夜の米雇用統計発表控え

FXニュース:今夜の米雇用統計発表控え

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FXニュース:今夜の米雇用統計発表控え

FXニュース:今夜の米雇用統計発表控え

東西FXニュース – 2024年6月7日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 欧ECBが0.25%利下げ決定
  • 欧州物価見通しは上方修正
  • 米単位労働コスト想定以下
  • 米週間新規失業保険数増加
  • 日銀国債購入額を据え置き
  • リスク回避の調整と様子見

今日2024年6月7日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の155円93銭付近から、円の高値でドルの安値の155円12銭付近の値幅約81銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円終値は155円43〜44銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円26〜27銭付近の前東京終値比で約83銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と市場時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) 市場のトレンド動向の分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時156円19銭付近の始値であったが、同時進行中の欧州市場で昨夜21時15分に欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会が欧州ユーロ圏の新政策金利と金融政策を発表するイベントがあり、市場予想通り0.25%の早期利下げを決定し、これまでの4.50%の欧州政策金利を4.25%に引き下げることを決定した。

ただし、市場予想では今月の早期の欧州利下げ予想が高まった後であったため、既に織り込み済みの部分が多かったほか、今後の金融政策については、「経済データ次第」という姿勢が強調されたことで、今後の追加利下げについては慎重なタカ派寄りの利下げと市場では受け止められており、さらに欧州中央銀行 (ECB) の経済・物価見通しでは2024年と2025年の欧州物価上昇率の見通しが上方修正されていたこともあり、対ドルなどで欧州ユーロが買われる値動きが見られた。

続いて、昨夜21時30分には米国市場で4月の米国貿易収支が発表され、前回の-694億ドルと前回修正の-686億ドルと市場予想の-761億ドルに対し-746億ドルと市場予想ほどではないものの前回よりも赤字額が増加し、同時発表の1〜3月四半期の米国非農業部門労働生産性の改定値の前期比も前回の0.3%と市場予想の0.1%に対し0.2%と市場予想ほどではないが前回よりも低下しており、企業の賃金負担を示す単位労働コストの前期比年率の上昇率も市場予想の5.0%に反して速報値の4.7%から4.0%に下方修正されたことを受けて、米国の賃金インフレ圧の鈍化が意識されていたところに発表された前週分の米国新規失業保険申請件数が前回の21.9万件と前回修正の22.1万件と市場予想の22.0万件に対し22.9万件と弱く、前週分の米国失業保険継続受給者数も前回の179.1万人と前回修正と市場予想の179.0万人に対し179.2万人に悪化していたことから、今年年内に2回以上の米国利下げ予想が強まり、低リスク通貨の円や主要通貨に対してドルが売られて下落し、発表時の昨夜21時30分頃にドルは円相場で一時155円87銭付近を記録した。

しかし、同米国市場からは翌市場にあたる今夜この後の今夜21時30分には、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で金融政策を決める上で重視していることが知られている最新米国重要経済指標の5月の米国雇用統計の発表予定のイベントを控えており、市場予想中央値では5月の米国平均時給の前月比などが前回よりもやや上昇の市場予想が優勢になってきていたことなどを受けては債券市場で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.320%付近に向けて上昇したため、債券利回りを受けた日米金利差トレードで日米金利差拡大による円売りでドルの買い戻しが進んでドルは円相場で反発し、昨夜22時13分頃に一時156円44銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、来週6月11〜12日に予定されている次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) では米国金利据え置き予想が優勢ではあるが、今夜の米国重要経済指標が米国雇用市場の軟化やインフレ圧の鈍化を示す様なことが起きた場合には、米国連邦準備制度理事会 (FRB) が今年年内に2回以上の米国利下げを行う可能性についての市場予想も高まってきており、今夜この後の米国重要経済指標発表イベントを控えた持ち高調整やイベントリスクの様子見の買い控えなども入り始めたほか、世界的な安全資産でもある米国債が買われて債券価格上昇に伴う利回り低下が起きた影響では上昇後の米国長期金利が反落し、一時4.280%付近に向けた低下を続けたため、日米金利差縮小時の円買いドル売りでドルは円相場で反落し、午前4時41分と4時45〜46分頃にドルは円相場で一時155円47銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録したが、テクニカル分析的なダブルボトム (Double bottom) の2つの谷の毛抜き底の買いサインになったことでは、ドルの買い戻しも入り始めた。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) は続伸したものの、前日に史上高値をつけて好調だった米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種株価指数 (Standard and Poor’s 500) がイベント前の利益確定もあって小幅ながらも反落したため、一部株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) ではドルからでも買える低リスク通貨の円が買われる抵抗も混ざった。

米国ニューヨーク債券市場では、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は今朝早朝の終値時点で4.287%付近と、今夜の米国雇用統計や来週の米国金融政策イベントのイベントリスクもあり、市場終盤の利益確定を交えても戻りはやや弱かった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の156円44銭付近から、円の高値でドルの安値の155円47銭付近の値幅約97銭の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値は155円61銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の156円11銭付近と比べて約50銭の円高ドル安をつけていた。

今朝8時30分には日本の最新経済指標が発表され、総務省の4月の日本全世帯家計調査の消費支出の前年同月比は前回マイナス圏だった-1.2%と市場予想の0.6%に対しプラス圏の0.5%で、2人以上の世帯の消費支出は約14カ月ぶりにプラス圏に転じたものの、市場予想はやや下回っていた。

続いて、今朝8時50分に発表された財務省の5月の日本外貨準備高は、前回の1兆2790億ドルに対し1兆2316億ドルに減少したが、日本政府の鈴木俊一財務相は今朝の記者会見で、この外貨準備高の減少について、「為替介入が反映されている」と発言しており、今後の為替介入についても、「外貨準備高の制約は、あまり考えていない」と発言した。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時155円68銭付近の始値であったが、今朝10時10分の通知タイムに日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が国債買い入れ指し値オペの通知を出し、全ての年限の国債購入額を前回から据え置きにしていたため、金利抑制の公開市場操作国債買い入れ額の維持を受けた円売りドル買いが起き、今朝10時11分頃にドルは円相場で一時155円93銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、日本市場でも今夜この後の5月の米国雇用統計の発表イベントを控えたイベントリスクのドルの早期の利益確定などの持ち高調整と、結果が分かるまでの様子見のドルの買い控えムードが円相場の抵抗要因となったほか、債券利回りでは今朝の通知後の午後には新発10年物の日本国債の利回りが指標となる国内長期金利が再び上昇トレンドになったことから、低リスク通貨の円買いドル売りが優勢に転じた。

また、今日の午後14時に発表された最新国内経済指標の4月の日本景気先行指数 (CI) 速報値は、前回の112.2と前回修正の111.7に対し市場予想通りの111.6であったが、4月の日本景気一致指数 (CI) 速報値は、前回の113.6と前回修正の114.2と市場予想の114.5を上回る115.2であった。

一方、東京株式市場でも、今朝は一時上昇していた今日の日経平均株価が午後には反落し、午後15時台に3万8683円93銭の終値と、前日比で19円58銭安の小幅安で大引けしたことでも、株価下落時のリスク回避のリスクオフで、国内第一安全資産である低リスク通貨の円が買い戻されやすくなっていた。

午後からの欧州英国市場の参入でも、今夜この後の最新米国重要経済指標の5月の米国雇用統計の発表を前にしたポジション調整が優勢で、イベントリスクのドルに対して低リスク通貨の円買いや、昨夜にイベント経過後の自国通貨の欧州ユーロの買い戻しと、イベントリスクが離れている英国ポンドの買い戻しなどが進んだことで、午後16時32分頃にはドルは円相場で一時155円12銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円43〜44銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の156円26〜27銭付近の前東京終値比で約83銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に最新米国重要経済指標の5月の米国雇用統計の米国非農業部門雇用者数、米国失業率、米国製造業雇用者数、米国平均時給などが発表されるイベント時間があり、続いて、今夜23時に4月の米国卸売売上高と28時に4月の米国消費者信用残高などが発表される予定を控えており、特に米国雇用統計は米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国の新政策金利や金融政策を決める米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベントの記者会見において、市場への影響力の強いジェローム・パウエル議長がよく引用していたりするほどの重要データであるため、市場の注目度が高く、イベント時のドルの値動きには注意が必要である。

また、欧州市場でも、今夜18時に最新欧州重要経済指標の欧州ユーロ圏総合の1〜3月四半期の欧州域内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の確定値の発表予定があり、今夜23時15分頃には、昨日の記者会見に続き、欧州中央銀行 (ECB) のクリスティーヌ・ラガルド総裁の発言予定を控えている。

なお、来週6月11〜12日には、米国中央銀行の米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) とパウエル議長の記者会見のビッグイベント予定を控えているほか、その翌日にあたる6月13〜14日には、日本銀行 (日銀 / BoJ) の日銀金融政策決定会合のイベントも市場で注目されており、持ち高調整や様子見などが入り始めている。

欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は169円29〜31銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の169円99銭〜170円0銭付近と比較すると約70銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、欧州中央銀行 (ECB) 理事会が欧州政策金利の利下げを始めたことで、低金利通貨の円に対する日欧金利差縮小が始まったほか、今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の4月の独鉱工業生産が、前月比は前回の-0.4%と市場予想の0.3%に対し-0.1%とマイナス圏に留まり、前年同月比では前回の-3.3%が前回-4.3%に下方修正され、市場予想の-3.0%を下回る-3.9%と不調で、今夜のイベントリスクでドルの買い控えがあった一方で、低リスク通貨としての円は買われやすかった。

同時発表だったドイツの4月の独貿易収支も前回の223億ユーロと前回修正の222億ユーロと市場予想の226億ユーロを下回る221億ユーロで、15時45分のフランスの4月の仏貿易収支も前回の-54.73億ユーロと前回修正の-53.81億ユーロに対し-75.79億ユーロと赤字額が増えており、4月の仏経常収支も前回プラス圏だった13億ユーロと前回修正の6億ユーロを下回り、マイナス圏の-18億ユーロに悪化していたことでも、低リスク通貨の円が欧州ユーロに対して上昇した。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0891〜1.0892ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0877〜1.0879ドル付近と比べると約0.14セントのユーロ高ドル安であった。

主な原因は、前述の欧州中央銀行 (ECB) 理事会のイベント後にドルに対して欧州ユーロが買い戻された影響があったことに加えて、今夜この後の米国雇用統計のイベントを控えた持ち高調整や様子見のドルの買い控えでも、今日の日本市場と時間が重なる欧州市場でドルに対して欧州ユーロの買い戻しが入っていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は198円95銭〜199円1銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の199円87〜93銭付近と比べて約92銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、今日は日経平均株価下落時やイベントリスク回避で、低リスク通貨の円買いがドルや欧州ユーロなどの主要通貨に対して起きていた影響が英国ポンドにも波及した。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年6月7日の日本時間(JST)17時33分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の9時33分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 17:33の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値
ドル/円 155.38 〜 155.40 -0.88 (円高)
ユーロ/円 169.21 〜 169.23 -0.78 (円高)
ユーロ/ドル 1.0889 〜 1.0890 +0.0012 (ドル安)
英ポンド/円 198.71 〜 198.77 -1.16 (円高)
スイスフラン/円 174.68 〜 174.74 -0.45 (円高)
豪ドル/円 103.57 〜 103.61 -0.30 (円高)

 

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