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FXニュース:日銀新総裁に植田和男氏報道で円急騰

FXニュース:日銀新総裁に植田和男氏報道で円急騰|

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FXニュース:日銀新総裁に植田和男氏報道で円急騰

FXニュース:日銀新総裁に植田和男氏報道で円急騰

東西FXニュース – 2023年02月10日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

今日2023年2月10日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値131円89銭前後から高値130円25銭前後の値幅約1円64銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は130円39~43銭付近で、昨日17時の前東京終値比で約75銭の円高ドル安に転じた。

午後16時台の「日銀新総裁に植田和男氏」報道までは131円台の円安ドル高で推移していたドル円は、発表時から円が一時急騰し、17時7分には一時129円80銭付近の大幅な円高ドル安を記録したが、日本の国内長期金利は日銀上限の0.5%に達したものの、米国長期金利は3.68%付近に上昇を続けていたため、東京終値の後の欧州英国市場で高値の円の利益確定売りと安値のドルの買い戻しも入り始め、18時15分からは再び131円台前半付近の前日比レンジ付近にも戻している。

今日の値動きの要因を時間に沿った世界市場トレンドの動きに合わせて分析すると、まず昨夜の英国ロンドン外国為替市場と同市場後半から始まった今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、昨夜22時半に発表された最新の米国経済指標の前週分の米国新規失業保険申請件数が前回の18.3万件と市場予想の19.0万件に対し19.6万件に小幅に増加し、米長期金利の一時低下時にドルが円やユーロやポンドに対して売られていたが、先週末の市場予想を大幅に超えた堅調な米国雇用統計と比較すると小幅であったことなどから、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米利上げ継続予想により、安値でのドルの買い戻しも入った。

さらに、米国市場と同時進行中の米国ニューヨーク債権市場では、米30年債入札結果の影響で利回りが上昇し、米長期金利の指標となる米10年債の利回りも3.69%付近に上昇し、米長期金利上昇に連動する様に日米金利差拡大によりドルが円相場で上昇した。

ただし、来週には米国連邦公開市場委員会 (FOMC) メンバーが今後の米国の金融政策決定のために重視している最新の重要米国経済指標である1月の米消費者物価指数 (CPI) や、米国小売売上高など発表を控えており、イベント前の持ち高調整や結果が分かるまでの買い控えや様子見も混じり、欧米株の決算シーズンのポジション調整の影響なども入った。

そのため、今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場は、円の高値130円34銭付近から安値131円65銭付近の値幅約1円31銭で、131円50~60銭付近の前日同時刻比で約10銭の小幅な円安ドル高でニューヨーク終値をつけていた。

今朝8時50分には、日本銀行 (日銀 / BoJ) が日本の最新経済指標の1月の国内企業物価指数を発表し、前月比は前回の0.5%と前回修正の0.7%と市場予想の0.3%に対し0.0%に低下し、前年同月比も前回の10.2%と前回修正の10.5%と市場予想の9.6%に対して9.5%と、想定以上の日本国内の企業物価のインフレ鈍化傾向を示していた。

その後に始まった今日の日本の東京外国為替市場でも、今朝は米利上げ長期化予想の強まりから、時間外の米10年債利回りが指標となる米国長期金利が上昇しており、日米金利差拡大による円売りドル買いが優勢であったが、日本市場でも米国トレンドと同じく来週発表予定の米国消費者物価指数 (CPI) の米インフレ指標イベントを控えた持ち高調整の利益確定などが混じり、やや小幅なドル上昇が午前中に続いた。

今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けては、今日は10日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい「5と10の付く、五十 (ゴトー) 日」にあたるため、輸入実需による円売りドル買い注文も加わり、10時半頃には今日の日本市場での円の安値でドルの高値の131円89銭付近を記録した。

しかし、午後になっても米長期金利の3.6%台後半の高止まりに連動する様に131円台後半付近の円安ドル高で比較的安定した推移をしていたドル円が一転するニュースが入り、市場反転が起きた。

前述の通り、午後16時台に日本経済新聞に続き、ブルームバーグ、ロイターなどの大手通信社などが一斉に「政府は日銀新総裁に植田和男氏、副総裁に内田真一理事と氷見野良三前金融庁長官を起用する人事を固めた」と報道し、植田和男氏は黒田総裁の大規模緩和以前にも日銀審議委員を務めた経歴があるために、日銀新総裁による大規模緩和金融政策の再修正への期待値が市場で上昇し、新発10年物国債の利回りは日銀上限の0.5%に達し、円が主要通貨に対して一時急騰し、それまでは131円台の円安ドル高で安定した推移していたドル円は、発表時からの円の一時急騰で130円台前半の円高ドル安に転じ、17時7分には一時129円80銭付近の大幅な円高ドル安を記録する勢いの途中で、17時の東京終値をつけた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は130円39~43銭付近で、昨夜17時の前東京終値比では約75銭の円高ドル安に市場反転していた。

今日の夕方の日銀新総裁ニュースの詳細は、日本政府は日本銀行 (日銀 / BoJ) の黒田東彦総裁が78歳で今年4月8日に任期満了予定であることから、後任人事について、以前に報道のあった雨宮正佳副総裁に打診したが同氏が辞退したため、東京大学名誉教授で米国マサチューセッツ大学の博士号も持つマクロ経済学と金融論の学者で元日銀審議委員の71歳の植田和男氏を新日銀総裁人事の後任に起用する意向を固め、人事案を2月14日に国会に提示し、衆参両院の同意を経て政府が任命する予定で、新副総裁には内田真一理事と氷見野良三前金融庁長官を起用するという内容であった。

ただし、日銀の現在のゼロ金利政策の導入にも立ち会ったと言われる植田和男氏による金融再修正期待で一時円相場が急騰し、日本の国内長期金利は日銀上限の0.5%に達したものの、夕方には米国長期金利も3.68%付近に上昇を続けており、東京終値後の英国ロンドン外国市場では高値の円の利益確定売りと安値のドルの買い戻しが進み、18時15分には再び131円台の前日比レンジ付近を超えた円安ドル高にも一時戻していた。

また、今夜19時台には植田氏がNHKテレビなどの記者団と会見し、今回の日銀新総裁への起用の件に関して、「現時点では何も申し上げられません」と答え、現在の日銀の大規模金融緩和について、「金融政策は、景気と物価の現状と見通しに基づいて運営しなければいけない。そうした観点から、現在の日本銀行の政策は適切であると思います。現状では金融緩和の継続が必要であると考えています」と発言したことでは、大規模緩和再修正期待が減退し、20時台の英国ロンドン外国為替市場ではドル円は再び一時131円付近から130円台後半の前日比レンジに近い小幅域に戻しており、今夜この後の米国経済指標やFRB高官発言、そして重要度の高い来週の米国CPI発表などが注目されている。

今夜この後の米国市場では、日本時間の深夜24時に最新の米国経済指標の2月の米ミシガン大学消費者態度指数の発表が予定され、26時半には次回の米国連邦準備制度理事会 (FRB) のウォラー理事の発言予定、28時には1月の米国月次財政収支、明朝6時には米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁の発言予定があり、ウォラー理事同様に次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権がある高官達の発言であることでは、来週の重要米経済指標イベント前の市場予想材料として注目されている。

欧州ユーロも、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は139円92~95銭付近で、昨夜17時の前東京終値比では約84銭の円高ユーロ安になった。夕方の日銀新総裁ニュースでの円相場の一時急騰は、ユーロ円にも影響を及ぼした。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0745~1.0746ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比では約0.12セントのユーロ高ドル安であった。

17時には円相場での一時大幅なドル安の波及があったが、その後の欧州英国市場では米長期金利上昇によるドルの買い戻しが進み、20時台にはユーロ安ドル高にも転じている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は157円99銭~158円5銭付近で、昨夜17時の前東京終値比では約1円46銭の大幅な円高ポンド安になった。

原因は、今日の夕方に発表された英国の最新経済指標の前年10~12月期の英国内総生産 (GDP) 速報値が市場予想通りの横ばいであったことから、英国景気懸念によるポンド売りがあったところに、日銀新総裁報道での円の急騰が重なったために、他の主要通貨よりも大幅な円高ポンド安になった。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2023年2月10日の日本時間(JST)20時32分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替時間 (GMT) 11時32分)付近の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:32の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 130.92 〜 130.93 -0.22 (円高)
ユーロ/円 140.06 〜 140.08 -0.70 (円高)
ユーロ/ドル 1.0697 〜 1.0699 -0.0036 (ドル高)
英ポンド/円 158.49 〜 158.55 -0.96 (円高)
スイスフラン/円 141.81 〜 141.87 -0.82 (円高)
豪ドル/円 90.64 〜 90.68 -0.70 (円高)

 

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