FXニュース:米消費者物価指数 (CPI) 発表前の持ち高調整|
東西FXニュース – 2022年12月13日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
今日2022年12月13日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間のドル円相場の為替レートは、円の安値の137円97銭前後から高値の137円33銭前後の値幅約64銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は137円41~43銭付近で、前日同時刻の前東京終値比で約73銭の円安ドル高であった。
原因はまず、日本時間の今夜22時半に発表予定の最新の米国重要経済指標の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えた持ち高調整の円売りドル買いが進んでおり、また米国現地時間の14日(日本時間では時差で15日の朝4時)に米国連邦公開市場委員会 (FOMC) が新政策金利を発表予定で、米利上げペースに関しては0.75%から0.5%への減速予想は現時点のフェッドウォッチ予測ツール (CME Fed Watch Tool) で72.3%の確定値に近い優勢ではあるものの、残りの27.7%には0.75%の大幅利上げ継続予想も一部にあり、全体的にも米利上げ継続と米利上げ長期化予想から、金利抑制の大規模緩和継続予想の日本銀行 (日銀 / BoJ) との金融政策の方向性の違いと日米金利差拡大予想による円売りドル買いがあった。
昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、昨日の東西FXニュースでも予告していた通り、米長期金利の指標となる米10年債の入札があり、債権価格が低調であったことから利回りが前営業日終値の3.58%から3.63%付近に上昇し、米長期金利の上昇を受けて、かねてからの円安要因の日米金利差拡大による円売りドル買いも起きていた。
米国ニューヨーク株式市場でも米株価三指数の上昇時に、リスクオンで低リスク通貨の円売りでドルやユーロ買いなどが入っていた。
そのため、今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場の終値は、137円60~70銭付近で、前営業日同時刻比で約1円10銭の大幅な円安ドル高であった。
その後に始まった今日の日本の東京外国為替市場でも、今朝は米国市場のトレンドを引き継いだ米長期金利上昇時の日米金利差拡大による円売りドル買いが優勢で、また前述の通り、今夜発表予定の最新の米消費者物価指数 (CPI) を控えた持ち高調整でも円売りドル買いが日本市場でも進み、9時半頃に一時137円90銭付近の12月1日以来と言われる円安ドル高水準を記録した。
今朝10時前の仲値決済に向けても、日本企業の輸入実需の円売りドル買い注文がやや優勢で、輸出企業の円買いドル売りではやや横ばいに近い動きも混ざったが、昼過ぎには米長期金利上昇時の日米金利差拡大の円売りドル買いに加えて、今夜発表予定の11月の米消費者物価指数 (CPI) は、パウエル議長を含む米国連邦準備制度理事会 (FRB) も注視している重要指標で、結果によっては今後の関係者の決断や為替相場に影響を与える可能性があることから、持ち高調整と市場予想を上回ることへの警戒などのリスク回避のドル買いもあり、13時台に一時137円97銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
その後には米長期金利が安全資産の債権買いで3.6%台から一時3.59%に下げたこともあり、午後からの欧州市場の参入では、今日の市場高値圏のドルには利益確定売りの抵抗も入っていた。
そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は137円41~43銭付近で、昨夜17時の前東京終値比では約73銭の円安ドル高になった。
今夜この後には、日本時間の22時半には、世界のFXトレーダーや投資家のみならず中銀関係者や政治家達も注目する最新の米国重要経済指標の11月の米国消費者物価指数 (CPI) が発表される予定で、27時には米国30年債入札予定もある。
また、今夜から米国連邦公開市場委員会 (FOMC) が始まり、米国現地時間の明日14日(時差で日本時間では15日の朝4時)には、米国の新政策金利や金融政策などの発表イベント予定があり、その後には恒例のパウエル議長の記者会見も予定されているため、イベント時の為替相場の値動きには注意が必要である。
さらに、15日には、欧州中央銀行 (ECB) と英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE)とスイス国立銀行 (SNB) の新政策金利と金融政策の発表イベントが続く予定で、イベント時に大きく稼ぐためやイベントリスク回避などの持ち高調整が多通貨で進んでおり、一巡後には結果が分かるまでの様子見の動きも混ざってきている。
一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は145円6~9銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約1円19銭の大幅な円安ユーロ高であった。
今朝までの米国ニューヨーク株式市場に続き、今日は日本の株式市場でも日経平均株価が上昇し、リスクオンで低リスク通貨の円が売られてユーロが買われたことに加えて、基軸通貨のドルに対する円安が、他の主要通貨であるユーロ相場にも円安として波及していた。
さらに、日欧金利差拡大予想も優勢であったことでは、大幅な円安ユーロ高になった。
ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0557~1.0558ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比で約0.31セントのユーロ高ドル安であった。
昨夜の欧州英国市場では、欧州中央銀行 (ECB) の積極的な利上げ継続予想を受けて、欧州ユーロ圏の景気への影響の警戒によるリスク回避のユーロ売りドル買いがあったが、米国ニューヨーク市場では、米株価上昇でリスクオンのユーロ買いで円やドル売りが入り、今日の日本市場でも、日経平均株価上昇のリスクオンのユーロ買いの円やドル売りなどがあったために、ユーロ相場が上昇した。
今日は欧州ユーロ圏の最新経済指標の発表もあり、16時にドイツの11月の消費者物価指数 (CPI) の改定値が発表されたが、前月比は-0.5%、前年同月比は10.0%の前回と同じ市場予想通りの横ばいで、欧州のインフレはピークアウトというよりはまだ高止まりをしている可能性もある。
欧州中央銀行 (ECB) も今月の新政策金利での利上げ幅については、米国同様に減速予想が出ているが、大幅利上げで早期に利上げを終わらせるか、もしくは利上げ減速をした場合には長期化になるのか、また最終的な金利の高さについては市場予想が分かれている。
今夜19時に発表された欧州ユーロ圏の12月のZEW景況感調査は前回の-38.7に対8して-23.6に改善傾向で、ドイツの同調査の期待指数も前回の-36.7と市場予想の-26.4に対して-23.3に改善傾向であったことも、欧州景気懸念はあるもののやや好感はされていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は168円81〜87銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約12銭の小幅な円高ポンド安であった。
今日は16時に英国の最新経済指標の11月の英失業率が発表され、前回と同じ3.9%の横ばいであったが、同時発表の英失業保険申請件数の方は前回の0.33万件と前回修正の-0.64万件から3.04万件に悪化したことでは、英国景気懸念によるポンド売りがあった。
また、横ばいに見えた失業率も、別のカウント方法のILO方式では、前回の3.6%から市場予想通りの3.7%に増加していたことも、高インフレと高金利が景気に及ぼす影響の英国景気懸念につながった。
しかし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、19時半の英中銀 (BoE) 金融安定報告書公表や20時のベイリー総裁の発言などがあり、20時台には日英金利差拡大予想が再び意識され、円安ポンド高に転じている。
今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年12月13日の日本時間(JST)20時31分(英国時間(GMT)11時31分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 20:31の為替レート | 東京外国為替市場前日比 |
ドル/円 | 137.58 〜 137.59 | +0.90 (円安) |
ユーロ/円 | 145.02 〜 145.04 | +1.15 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0540 〜 1.0542 | +0.0014 (ドル安) |
英ポンド/円 | 169.17 〜 169.23 | +0.24 (円安) |
スイスフラン/円 | 146.86 〜 146.92 | -0.17 (円高) |
豪ドル/円 | 93.20 〜 93.24 | +0.27 (円安) |
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