今週の為替相場の見通し:
トルコの市場混乱が貿易戦争(中国)、経済制裁(ロシア)、国内エマージングマーケット政治(ブラジル)の不安に加わり、多くのG10通貨が最近のレンジを破り米ドルが上昇した。トルコリラとロシアルーブルを襲った制裁の懸念もまた、南アフリカランドやメキシコペソのような他のエマージングマーケットFXの2次的なダメージを引き起こし、またニュージーランドドルはニュージーランド準備銀行がハト派に転向した後に売却された。
新エマージンマーケットにおける不安とイタリアの予算の懸念の中で、スイスフラン(および日本円 )の防衛的な価値が戻ってきているようにみえる。ユーロ/スイスフランが1.1490より下回ったことは、1.1160に続いてさらに1.1320への下落を警告している。
ユーロ/米ドル が1.15を下回る水準まで下落したことによって、トルコリラからユーロへの銀行部門へのエクスポージャーの影響が察知され、短期的に1.1200までの下振れリスクを警告しているにもかかわらず、トルコに対する欧州銀行のエクスポージャーは相対的に抑えられている。
当社はトルコリラに対して 慎重に構える。トルコリラの激しい減価償却からの価値は 、 対外赤字を縮小するために景気減速の必要性を受け、具体的な政策の締め付けがない限りは短期間でのトルコ資産の売却は止まないだろう。高額な国内政治的費用がかかる代替案は、IMFプログラムの支持、もしくはトルコリラの兌換性のコントロールにかかっているだろう。
毎週のマクロ経済のアップデート
火曜日 (8月14日)
• 中国工業生産 – 小売りの販売も芳しくなく中程度の減速を示す可能性が高い。 貿易緊張の高まりから経済成長を緩和する政策緩和がある。
• 米国中暑企業楽観指数 – 今までにないほど良好なレベルだが、財政刺激策が貿易関税の影響を相殺するため、ビジネスの楽観主義は高水準にとどまるだろう。
水曜日 (8月15日)
• 英国消費者物価指数 (CPI)- イングランド銀行は8月の25のベーシスポイント金利引き上げ後でも効果を表していない。ブレクジットの不確実性は、英国のCPIの成果を覆す可能性が高い。
• インドネシア銀行会合 – インドネシア銀行は、資本フローが今のところ安定しているように見え、実質金利は経常赤字のエマージン市場諸国にもはや遅れをとっておらず、強い立場にある。
経済見通し:
世界的な成長は健全な状態を維持しており、財政刺激の恩恵を受けるアメリカが特出し、他の先進国市場は継続して非常に支持的な金融政策に満足している。これまでに発表された実際の措置は比較的軽微ではあるが、貿易障壁を取り巻くエスカレートした巧言は明らかに懸念要素になっている。
外国為替: 米ドルの反発はまだ終わっていないが、政策の相違がピークに近づくにつれて、その勢いは緩和されるだろう。 貿易緊張が激化し、さらなる上昇の可能性が残っているため、アジア通貨先物の予測は格下げとなる。
株式: 金利の上昇を背景に、グローバル株式のさらなる上昇は、主に収益の伸びに限定されるだろう。 一方、リスクのアンバランスに市場は荒れるだろう。 わずかにアンダーウェイトの 姿勢を維持する。
コモディティ: 継続的な地政学的騒音にもかかわらず、原油価格は、OPECが価格高騰防止のために必要時には 供給を増加するといった期待が高まったことで減速した。
https://www.tozaifx.com/weekly-report-20180813