マーケットコメント:日経平均4万円到達!CPIは予想通りの結果に!
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、昨日の米国CPIと日経平均が4万円に到達した件について、現在のマクロ経済の状況を踏まえつつ、その背景と今後の動向を分析します。メインテーマは予想通りの結果となったCPIと日経平均のテクニカル分析。
【12月11日】日経平均4万円到達!CPIは予想通りの結果に!
12月11日、米国CPIの結果は市場予測通りの値となった。
昨日の22:30に11月の米国消費者物価指数の数値が発表された。前回が前年同月比2.6%だったのに対して、市場の事前予測では2.7%という数値が予測されていた。実現値は市場予測の通り2.7%、食料品とエネルギーを除いたコアインフレも。市場の予測通り、前年同月比ベースで3.3%となった。
これを受けて、今朝の日本株市場では株高が進行。日経平均は4万円に再び到達し、一時的に700円越えの上げ幅となった。背景には米国CPIの結果を受けてFRBの利下げ観測が強まったことなどが考えられる。
Bloombergによれば、野村アセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト石黒英之氏は、「今の株高が継続的かどうかには疑問の余地がある」とコメント。米国インフレの沈静化に停滞感があるとして、今後のFRBの利下げペース鈍化の可能性を指摘した。
本日はスイス中銀とECBの政策金利発表を控えている。欧州経済の軟化が深刻化する中、市場では今月もさらなる利下げが織り込まれている。これが実現した場合には、ユーロやスイスフランは、為替市場において、さらに安値を切り下げる可能性がある。
以下の図(Investing.comより)は日経平均の1時間足チャートである。
この図を見れば、日経平均は12月に入ってから緩やかな上昇トレンドをしていることがわかる。
テクニカル分析の観点で言えば、75日移動平均線も上向きに転換しつつあり、25日移動平均線まで含めて、上昇トレンドのフォーメーションを形成している。一方で、オシレーター指標に関しては、MACDは中立となっているものの、RSIは買われすぎゾーンに突入しており、短期的な反落を示唆している。
ファンダメンタルの観点では、昨日の米国CPIの結果を受けて、FRBのさらなる利下げ観測が高まる中、リスク選好から米国株式市場も含めて、全面的に株高が進行している。
17日〜18日にFOMCと日銀政策会合を控えるなか、それまではリスクオンによる株高が進展する可能性がある。その場合、日経平均はさらなるアップサイドがあるように思われる。トランプトレードによる円安もある今、株式市場には大きな追い風が吹いている。