マーケットコメント:新興国債券の魅力低下?関税へのリスク懸念!
東西FXマーケットコメント – 2024年11月18日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
11月18日、本ページでは、現地通貨建新興国債券の相対的利回りが低下している件について、その内容と背景にある要因を詳しく分析します。
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、現地通貨建新興国債券の相対的利回りが低下している件について、マクロ経済の状況を踏まえつつ、その内容と背景にある要因を詳しく分析します。メインテーマは、魅力が薄れつつある新興国債券とメキシコペソのテクニカル分析。
【11月18日】新興国債券の魅力低下?関税へのリスク懸念!
11月18日、直近で米国債券の利回り上昇に伴って、現地通貨建新興国債券の相対的利回りの低下が市場で騒がれている。
Bloombergによれば、当社の現地通貨建新興国債券の指数は10月から3.5%低下しており、年初来の上昇率は2%に低下しているとのこと。GAMA Asset Managementのマクロポートフォリオマネージャーであるラジーブ・デメロ氏は、「経済的な見通しや米中対立、貿易戦争などから現地通貨建の新興国債券への信頼が失われつつある」とコメントした。
こうした現地通貨建新興国債券の利回り低下にあるのは、ドル高や米国債の利回り上昇だと考えられる。これらの要素はすべてトランプトレードと紐づいており、トランプ氏政権の人事が続々と発表されつつある今、その期待感からこうしたトレンドはますます強くなる可能性がある。
そうなった場合には、現地通貨建新興国債券への需要はさらに減少するだろう。米国債券の利回りが4-4.5%にある今、無理して新興国債権に投資しなくても、より安全に高い利回りを享受できるからだ。ただし、これらのトレンドが一服すれば、プレミアムから再び新興国債券の魅力が高まることは考えられる。
メキシコペソテクニカル分析〜メキシコペソの現況と今後の推移予測
上記の図(Investing.comより)はドル/メキシコペソの日足チャートである。
この図を見れば、メキシコペソは現在対ドルベースで下落トレンドに突入していることがわかる。
テクニカル分析の観点で言えば、75日移動平均線は上向きで推移しており、綺麗な上昇並行チャネルを引くことができる。一方で、MACDではダイバージェンスが起こりつつあり、RSIもかなり高値圏で推移している。
ファンダメンタルの観点では、トランプトレードの影響でドルの独歩高が続いている。一方で、ここ数日米国株式が軟調になりつつあり、この傾向が続くようであれば、リスクヘッジで米国債が買われ、利回りが低下し、新興国通貨や債券への需要が回復する可能性はある。
ただ、現状トランプトレードがすぐに終わるとは予想しにくいため、一時的に下落したとしても、長期的にドル/メキシコペソは上昇していく可能性が高いと考えられる。
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。