FXニュース: 米長期金利高一時4.48%
東西FXニュース – 2024年11月14日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
今日2024年11月14日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の155円40銭付近から、円の安値でドルの高値の156円13銭付近の値幅約73銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円84〜85銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の155円12〜13銭付近の前東京終値比で約72銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨夜の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、来年1月から任期の第2次トランプ政権で米国大統領・上院・下院が共和党多数派になるトリプルレッドの米国関税強化案や移民政策と財政拡張案などから米国インフレ再燃への警戒感が高まり、米国政策金利の先高観の影響などで時間外の米国債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が4.4%台で高止まりを続けていたことから、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大時の円売りドル買いや、欧州ユーロなどの主要通貨に対するドル買いの影響が対ドル円相場に波及し、昨夜17時30分頃にドルは円相場で一時155円24銭付近に上昇したが、昨夜の米国市場では最新米国重要経済指標の10月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) 発表のイベントを控えていたことでは、イベントリスクによる早期の利益確定と持ち高調整や世界的な安全資産の米国債の買い戻しの抵抗も入ったため、昨夜22時頃からの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時154円92銭付近の始値であった。
昨夜22時30分に発表された米国インフレ関連の最新米国重要経済指標の10月の米国消費者物価指数 (CPI ) は、前月比が前回と市場予想通りの0.2%の横ばいで、前年同月比も前回の2.4%に対し市場予想通りの2.6%で、気候条件などで価格変動が激しい生鮮食品などを除き物価基調を見る重要インフレ指標の10月の米国CPIコア指数も、前月比は前回と市場予想通りの0.3%で、前年同月比も前回と市場予想通りの3.3%の横ばいと、いずれも市場予想通りであったことでは、来年1月からの第2次トランプ政権の任期開始前の今年年内の来月12月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) では0.25%の米国小幅利下げ予想が今日の一時80%台に向けて上昇し、市場で確定値として意識される70%を上回り始めたことでは、前日には一時40%台付近にまで上昇していた次回の米国金利据え置き予想値は一時10%台に向けて後退したため、昨日の日本市場時間には一時4.450%付近にまで上昇していた米国長期金利が反落し、昨夜23時10分頃には4.4%台を下回る一時4.370%付近にまで急落し、昨夜23時12分頃にドルは円相場で一時154円34銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、昨夜23時30分頃から始まった次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国ニューヨーク連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁のイベント挨拶に続き、昨夜23時45分頃から米国ダラス連邦準備銀行のローリー・ローガン総裁の発言があり、40年ぶりの米国インフレ抑制に「大きな進展を遂げているが、完了までには恐らくさらなる利下げが必要となる公算が大きい」としたものの、「どの程度の利下げが必要か、またどの程度のペースで実施する必要があるかを確実に把握することは難しい」としており、一連の米国利下げ後の現在4.50〜4.75%の米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートは、見込まれる中立金利レンジの「ちょうど上限にある」とも指摘し、「中立水準を超えた過度な利下げを実施すれば、インフレが再加速し、FOMCは方針転換を余儀なくされる可能性がある」ことから、「不確実性のある状況下では、慎重に進めることが最善」であると、今後の米国利下げには慎重な姿勢を示したことから、今年年内の次回のFOMCでは米国小幅利下げ予想が市場で優勢であるが、米国インフレ再燃リスクと不確実性が高まる来年の米国利下げペース鈍化予想が浮上した。
加えて、今回の米国消費者物価指数 (CPI) は市場予想通りではあったものの、米国CPIコア指数はFRBの目標の2%を超えた3%台で高止まりしていることへの警戒感もあっため、次期トランプ政権の政策案による米国インフレ圧予想が市場では優勢で、米国ニューヨーク債券市場ではトランプ・トレードの米国債売りが再燃し、米国債券価格低下に伴う利回り上昇の影響から米国長期金利が反発上昇し、深夜前から再び4.4%台の高利回り推移に戻したことでは、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いと主要通貨に対するドル買いが再び入り、ドルは円相場で155円台に反発上昇した。
また、次回の米国小幅利下げ予想を受けては、米国主要株価三指数の中でも金利に敏感な米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が前日の安値から反発上昇し、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) も小幅高に向け、世界的なハイテク企業の比率が高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は小幅安になったものの、先日の米国大統領選挙で仮想通貨 (暗号資産) を使った賭けサイトでトランプ・トレードのドル買いと共にドルからのビットコイン買いで仮想通貨価格が高騰していた仮想通貨市場では、昨夜はビットコイン/ドルが史上最高値の記録を更新したこともあり、市場ではリスク選好のリスクオン (Risk-on) ムードになり、安全資産の米国債売り継続による米国長期金利上昇と低リスク通貨の円売りが起き、午前3時20分頃に米国ニューヨーク債券市場で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.462%付近と更に上昇して再び4.4%台の高止まりを続けたことでは、債券利回りを受けた日米金利差拡大の円売りドル買いと主要通貨に対するドル買いが続き、午前4時2〜6分頃にかけてドルは円相場で一時155円62銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録し、午前4時13分頃に同高値のダブルトップ (Double Top) の毛抜き天井を叩いたテクニカル分析的な利益確定売りで上昇幅を縮めるまでは、数分間のドルの高止まりを円相場で見せていた。
ただし、午前4時に発表されていた最新米国経済指標の10月の米国月次財政収支は、前回の643億ドルと市場予想の-2110億ドルよりも赤字額増加の-2575億ドルに悪化したことは、ややドル上昇の抵抗要因となっていた。
しかし、米国ニューヨーク債券市場では、トランプ・トレードの米国債売りが続き、今朝7時頃の米国ニューヨーク外国為替市場の終値の頃には、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.468%付近の高利回りに上昇していたため、市場終盤の利益確定や持ち高調整でもドルは円相場で155円台に留まり、ユーロドルが今年最大のユーロ安ドル高を再更新するなど、欧州ユーロなどの主要通貨に対しても堅調な推移を保っていた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の154円34銭付近から、円の安値でドルの高値の155円62銭付近の値幅約1円28銭で、今朝7時頃のドル円のニューヨーク終値は155円46銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の154円61銭付近と比べると約85銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続いて、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時155円41銭付近の始値で、今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時記録した一時155円40銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となり、今朝10時台の日本市場時間の時間外米国債券取引では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.483%付近と更に上昇したため、債券利回りを受けた金利差トレードで日米金利差拡大時の低金利通貨の円売りと高金利通貨のドル買いが入り、欧州ユーロなどの主要通貨に対するドル高の外貨影響に加えて、アジア市場で対中米国関税強化案の影響懸念される中国市場で中国元安ドル高が進行した影響も対ドル円相場に波及したため、今朝11時53分頃からドルは円相場で一時156円台に乗せ始めた上昇を見せた。
テクニカル分析的にも、ドル円で節目と考えられていた155円台を上抜けた後には、160円方向に大きなレジスタンス・ライン (抵抗線) がないことが意識され、今日の日本市場ではドル円が今年7月以来の156円台に乗せた後にも日本政府による口先介入が出かったことなども円安ドル高を助長し、昼の13時46〜47分頃と午後14時11分頃にドルは円相場で一時156円13銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、今日の東京株式市場では、今朝は上昇して始まっていた日経平均株価が、時間帯が近いアジア市場の中国株価下落の影響もあり、午前の部の終盤や午後に反落を見せたことでは、アジア株価下落リスク回避のリスクオフ (Risk-off) で低リスク通貨の円が買われる抵抗も交えたことでは、ドルは円相場で市場高値のダブルトップの毛抜き天井を打った売りサインを見せた後には利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入って上昇幅を縮め始めた。
午後15時30分頃には、今日の日経平均株価は3万8535円70銭の終値をつけ、前日比185円96銭安の大幅安で大引けしたことでも、国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しが入り、ドル円は一時の156円台前半から155円台後半に戻していた。
ただし、午後からの欧州市場の参入では前日に続き、ユーロドルが2023年11月以来のユーロ安ドル高の続伸に向けていたことや、英国冬時間になり東京終値の頃の夕方からの遅めの参入になった世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場では、主要取引通貨のドル需要もあったことでは、今夜19時40分頃にはドルは円相場で一時156円24銭付近のドルの高値更新に向けるのであるが、その前の今夜17時に今日の東京終値を迎えた。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円84〜85銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の155円12〜13銭付近の前東京終値比では約72銭の円安ドル高になった。
なお、今夜の英国ロンドン外国為替市場では、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、来月12月17〜18日開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) での米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想は0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時82.3%付近と市場で確定値と考えられる70%を上回り続けているが、次回の米国金利据え置き予想値は一時17.7%付近に後退しながらも一部で燻り続けている。
今夜この後には最新米国経済指標の発表予定や次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言予定などを控えており、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時頃からFRBのアドリアナ・クーグラー理事の発言予定と、今夜22時30分に米国インフレ関連の最新米国経済指標の10月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) と、同時に米国雇用関連の最新米国経済指標の前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数が発表され、今夜23時頃から米国リッチモンド連邦準備銀行のトーマス・バーキン総裁の発言予定があり、そして、29時頃から市場注目度が高いFRBのジェローム・パウエル議長の要人発言予定を控えている。
また、明日の夜には、米国景気関連の最新重要経済指標の米国小売売上高の発表も控えているほか、債券・株式市場などに加え、政治要因や世界情勢の影響にも注意が必要である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は164円42〜43銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の164円48〜49銭付近と比べると約6銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、米国長期金利上昇を受けた主要通貨に対するドル上昇圧の中で、欧州ユーロ圏の主要国ドイツの政治懸念によるユーロ売りや米国対中関税強化の影響で欧州経済への警戒感もあり、ユーロドルで昨年秋以来の今年最大のユーロ安ドル高が進行し、外貨影響のユーロ安が円相場にも波及した。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0550〜1.0552ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0602〜1.0604ドル付近と比べると約0.52セントのユーロ安ドル高と、ユーロがドルに対して続落していた。
なお、今夜19時に発表された欧州ユーロ圏総合の最新欧州重要経済指標の7〜9月期四半期の欧州域内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の改定値は、前期比が前回と市場予想通りの0.4%で、前年同期比も前回と市場予想通りの0.9%であった。
市場では、欧州経済をサポートするための欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の欧州利下げ予想が現在優勢であるが、今夜この後の欧州市場では今夜21時30分に10月17日開催分の欧州中央銀行 (ECB) 理事会議事要旨の公表予定があるほか、28時頃からECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁の発言予定も控えていることは注視されている。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は197円72〜78銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の197円56〜62銭付近と比べると約16銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、今日の東京終値の頃の英国ロンドン外国為替市場の参入時には、米国と文化的な共通点を持つ英国10年債の利回りが指標の英国長期金利が一時4.615%付近に上昇して始まっており、債券利回りを受けた金利差トレードでは日英金利差拡大時の円売りポンド買いが影響を及ぼした。
ただし、その後には英国長期金利が上昇幅を縮めたことでは、今夜20時台の英国市場では前東京終値比の小幅な円高ポンド安にも転じている。
なお、今夜この後の米国市場の終盤にあたる明日の早朝6時頃からは、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) のアンドリュー・ベイリー総裁の発言予定もあり、今夜は欧州、米国、英国の各中銀総裁達の要人発言が続くことも注目されている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年11月14日の日本時間(JST)20時56分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時56分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間が終了し、今週の世界市場では欧州市場と英国市場と共に、米国市場も冬時間の日本との時差となっている。
通貨ペア | JST 20:56の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 155.93 〜 155.95 | +0.81 (円安) |
ユーロ/円 | 164.13 〜 164.14 | −0.35 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0524 〜 1.0526 | −0.0078 (ドル高) |
英ポンド/円 | 197.30 〜 197.36 | −0.26 (円高) |
スイスフラン/円 | 175.28 〜 175.34 | −0.25 (円高) |
豪ドル/円 | 100.82 〜 100.86 | −0.32 (円高) |
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