FXニュース:米主要株価三指数最高値
東西FXニュース – 2024年11月12日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
今日2024年11月12日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の154円6銭付近から、円の高値でドルの安値の153円40銭付近の値幅約66銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円78〜79銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の153円61〜63銭付近の前東京終値比では約17銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨夜の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、先日の米国大統領選挙の結果を受け、ドナルド・トランプ次期大統領政権の共和党勢力が米国上下両院を独占するトリプルレッド (Triple Red) 観測報道への警戒感や、政治要因の米国政策金利やドルの先高観などの影響があり、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出する米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールで次回12月17〜18日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値が、0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時64.9%付近に低下して市場で確定値と考えられている70%を下回った一方で次回の米国金利据え置き予想値が一時35.1%付近に上昇し、欧州市場の主要取引先である中国だけでなく欧州や日本などにもトランプ政権の米国関税強化案の影響や米国インフレ再燃が警戒される中で、円だけでなく欧州ユーロなどの主要通貨に対するドル買いが進み、昨夜は17時30分頃と17時51〜52分頃と18時9〜10分頃と18時13分頃にかけてドルは円相場で一時153円85銭付近の高値圏で数回に渡る高止まりを見せていた。
昨夜22時頃からの米国ニューヨーク外国為替市場は、米国で復員軍人や退役軍人の日を意味するベテランズ・デー (Veterans Day) の祝日で休場であったが、同時進行中だった欧州英国市場と世界市場では米国ニューヨーク始値相当時間の対ドル円相場は一時153円79銭付近であった。
また、米国ニューヨーク債券市場も祝日休場であったが、株価先物を含む米国ニューヨーク株式市場や世界規模のコモディティ市場などは一部開場しており、トランプ・トレードの米国主要株価上昇の影響もあって、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が揃って上昇して始まり、米国ダウなどが史上最高値に向けたことを受けたリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円売りが起きたことでも対ドルの円相場が下落し、昨夜22時32分頃と22時35〜37分頃と22時41分頃にかけて再び高止まりを見せる形で、ドルは円相場で一時153円95銭付近の米国市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録した。
また、昨日の朝に発表されていた前回10月30〜31日開催分の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合における「主な意見」では、「米国経済確認で一時的に様子見後に追加利上げを」という一部のタカ派意見が出ていた以外には、具体的な日銀の追加利上げ時期が示されていなかったことでは、市場では次回の日銀の早期の追加利上げ予想が後退していたことでも、米国政治要因のドル買いの一方で、日米金利差予想で円が売られる一因となり、円安ドル高が進行していた。
ただし、昨夜に日本政府の石破茂首相は、欧米だけはなく日本でも研究が進んでいる「半導体や人工知能(AI / Artificial intelligence)の分野で、2030年度までに10兆円以上の公的支援を行う」と記者会見で表明したほか、「次期春闘での賃上げや、最低賃金の中期的引き上げに向けて、月内にも政労使による協議の場を持つ」と発言しており、その一方でトランプ次期米国大統領との早期の会談機会を伺う姿勢を見せていたことでは、中国を主要取引先に持つ欧州経済よりも米国を主要取引先に持つ日本経済への懸念の方が弱く、欧州ユーロに対してはドル買いだけではなく、円買いが入る時間もあったことでは、対ドルの円相場には先日の日本政府の円安牽制の口先介入後に以前の為替介入実績データが公開された関係上、大規模な為替介入への余力を残していることが知られており、為替介入への警戒感も燻っていたため、円相場は154円台の手前付近からは反発も見せ始めた。
一方で、市場後半が同時進行していた欧州市場では、欧州ユーロ圏主要国ドイツの政治懸念のユーロ安の影響が続いたほか、米国関税強化案で欧州の主要取引先の中国が欧州市場への輸出を拡大する可能性や欧州経済への影響が懸念される中で、欧州経済をサポートするために欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) が欧州追加利下げを行う可能性が指摘されたことから欧州利下げ予想が優勢さを増し、ドルなどの主要通貨に対する欧州ユーロ売りに影響を及ぼして、昨夜23時50分頃に欧州ユーロはドルに対して一時1.0629ドル付近に下落し、ユーロドルは今年4月22日以来のユーロ安ドル高を記録していた。
しかし、米国主要株価三指数は揃って上昇から始まり市場前半に揃って高値を記録したが、米国主要株価三指数の中でも米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) は史上高値後もプラス圏の堅調な推移を続けたものの、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は利益確定売りや持ち高調整の影響もあって一時反落し、欧州英国市場終了後の午前3時25分頃には二指数がマイナス圏に転じていた影響では、リスク回避のリスクオフ (Risk-off) の低リスク通貨の円の買い戻しも起きて円相場が反発を始めたことでは、ドルは円相場で上昇幅をやや縮め、午前5時59分頃には一時153円62銭付近の米国市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。
とはいえ、市場終盤には、一時はマイナス圏に低下していた米国S&P 500と米国ナズダックも買い戻されて反発し、小幅ながらも前日比のプラス圏に戻して小幅高の終値をつけたことでは、低リスク通貨の円の利益確定売りや持ち高調整も起き、今朝早朝には米国主要株価三指数の米国ダウは前営業日比で大幅高の終値をつけ、米国主要株価三指数が揃って高値の終値をつけたことでは、市場前半のトランプ・トレードのドル買いとリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りの影響の方が大きく、円安ドル高が進行していた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の153円95銭付近から、円の高値でドルの安値の153円62銭付近の値幅約33銭で、今朝7時頃のドル円のニューヨーク終値相当時間は152円72銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の152円64銭付近と比べると約1円8銭の大幅な円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今朝8時58分頃には利益確定や持ち高調整の影響もあり、ドルは円相場で一時153円47銭付近に売られていたため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時153円52銭付近の始値であった。
日本市場では、今夜この後の米国祝日連休明けのドル実需もあり、今朝の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の円売りドル買いが優勢になり、ドルは円相場で再び上昇を始めた。
また、米国主要株価三指数の史上高値更新を受けた今朝の東京株式市場でも、今日の日経平均株価が上昇して始まったことを受けては、日米株価上昇時のリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られ、今朝11時11分頃にドルは円相場で一時154円6銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
一時154円台の市場高値後のドルには利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めたほか、東京株式市場では午前の部は前日比大幅高で終えた日経平均株価が、昼に午後の部が始まると今朝の上昇幅を大幅に縮小して始まり、マイナス圏に転じ始めたことでは日経平均株価反落を受けたリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しが起きて対ドルの円相場が反発し、トランプ政権の対中関税強化案の影響で、日本市場と時間帯の近いアジア市場でも中国株のリスク回避でも低リスク通貨の円買いが起きていたことが影響し、午後14時32〜36分頃の数分間にかけて一時153円40銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録し、今日の午後15時30分には日経平均株価は3万9376円9銭の終値をつけ、前日比157円23銭安の大幅安に転じたままで大引けした。
しかし、午後からの欧州市場の参入に向けては、時間外の米国債券取引で米国インフレ再燃懸念や米国政策金利の先高観の影響もあり、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が4.3%台で再上昇していたことでは、欧州ユーロなどの主要通貨に対するドルの買いが再び入り始めたことでは、ドルは円相場で反発上昇に向け、153円台後半の東京終値をつけた。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円78〜79銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の153円61〜63銭付近の前東京終値比で約17銭の円安ドル高になった。
また、今夜その後の18時41分頃の英国ロンドン外国為替市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.366%付近に向けて上昇していたため、債券利回りの金利差トレードの日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響で、ドルは円相場で一時154円16〜17銭付近の日通しの円安ドル高を更新した。
今夜この後の米国市場は祝日連休明けで、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言予定を控えており、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜の深夜24時頃からFRBのクリストファー・ウォラー理事の発言予定と、深夜24時15分頃から米国リッチモンド連邦準備銀行のトーマス・バーキン総裁の発言予定を控えている。
また、明日の夜には米国インフレ関連の最新米国重要経済指標の10月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表予定を控えていることや、明後日の夜には次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の中でも市場への影響力が最も強いジェローム・パウエル議長の要人発言予定のイベントも控えていることなどにも注意が必要である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は163円47〜48銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の164円22〜24銭付近と比べると約75銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、先述の通り、欧州ユーロ圏主要国ドイツの政治懸念や米中関税の欧州経済の影響が警戒される中で、欧州経済のための欧州中央銀行 (ECB) の欧州追加利下げ予想が優勢になっていることで、ドルや円に対するユーロ安が進行した。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0628〜1.0630ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0687〜1.0689ドル付近と比べると約0.59セントのユーロ安ドル高であった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は197円2〜8銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の198円12〜18銭付近と比べると約1円10銭の大幅な円高ポンド安であった。
主な要因は、今日の午後の日経平均株価反落を受けたリスク回避のリスクオフで低リスク通貨の円の買い戻しが入ったことでは、リスク市場に弱い欧州ユーロだけでなく英国ポンドや豪ドルなどの主要通貨は円相場では売られやすかった。
また、今日の午後16時に発表された最新英国経済指標の10月の英国失業保険申請件数は前回の2.79万件が前回1.01万件に上方修正されたが、10月の英国失業率は前回と横ばいの4.7%で、国際労働機関 (ILO / International Labor Organization) 方式の9月の英国失業率は前回の4.0%と市場予想の4.1%よりも悪化した4.3%であったことも、英国ポンド売りの為替相場に影響を及ぼしていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年11月12日の日本時間(JST)20時24分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時24分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間が終了し、今週の世界市場では欧州市場と英国市場と共に、米国市場も冬時間の日本との時差となっている。
通貨ペア | JST 20:24の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 153.94 〜 153.96 | +0.33 (円安) |
ユーロ/円 | 163.60 〜 163.61 | −0.68 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0626 〜 1.0627 | −0.0061 (ドル高) |
英ポンド/円 | 197.49 〜 197.55 | −0.63 (円高) |
スイスフラン/円 | 174.61 〜 174.67 | −0.40 (円高) |
豪ドル/円 | 100.75 〜 100.79 | −0.37 (円高) |
注意:
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