東西FXマーケットコメント – 2024年10月31日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、直近でドルをヘッジするためのコストが上昇している件について、現在のマクロ経済の状況を踏まえつつ、その背景と今後の動向を徹底的に分析します。テーマは上昇するドルのヘッジコストと為替市場におけるドルの堅調性。
【10月 30日】ドルのヘッジコスト上昇!米国選挙に対するヘッジ需要増大か?
10月30日、オプション市場ではドルのヘッジコストが上昇している。
具体的には、ブルームバーグのドルスポット指数における1週間物のインプライドボラティリティ(オプションの価格から計算される市場ボラティリティの理論値)は30日に上昇し、2022年12月以来の高値となった。
この背景には、直近に迫りつつある米国選挙におけるリスクヘッジを目的としたオプション需要の増大が考えられる。Bloombergによれば、Barclaysの為替ストラテジストであるスカイラー氏は「選挙は為替市場を二分する出来事である」と米国大統領選挙におけるヘッジの必要性を強調した。
また、ドル円に限って言えば、日本の衆議院選挙で自民党が過半数を取れなかったことにより政局が不安定化することが予測され、その不透明性から円が売られる可能性がある。それに伴って、ドル円のボラティリティはさらに拡大する可能性がある。
これらを踏まえると、ドルヘッジコストの上昇は必然であると考えられ、少なくとも米国選挙が終わるまではドルに対するオプションでのヘッジ需要は高い状態を維持すると予測される。
ドルインデックステクニカル分析〜ドルの現況と今後のトレンド予測
上記のチャートは、米ドル指数先物の日足チャートである。
このチャートを見れば、ドルインデックスは現在104.5付近のレジスタンスラインにぶつかっており、一つ下のレジスタンスラインだった102付近との間でレンジ相場を形成している。
テクニカル分析的な観点では、連続的に上昇を繰り返してきたため、一時的にドルインデックスは下落する可能性がある。一方で、そのまま下落する可能性は想定しにくく、あくまで一時的なものになると予測される。
ファンダメンタル的には、一時的に下落するとしても、先日発表されたADP雇用統計が予想以上に強かったこと、中国や欧州経済の不況などを考えても、ドルは引き続き堅調となる可能性が高い。
こうしたことを踏まえると、一時的にドルが売られた場合には、長期的な観点では絶好の買い場となる可能性がある。
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。