FXニュース:米経済指標懸念で日米金利差縮小時の低リスク通貨の円買いが継続|
東西FXニュース – 2022年5月27日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 日経平均株価上昇で低リスク通貨の日本円が持ち高調整で売られた影響も
- 株価上昇時のリスク志向のユーロ買いで安全資産ドル売りが一時1.07ドル台に
- 米経済指標発表前の持ち高調整と米FRB利上げ減速予想で今夜発表のPCEに注目
今日2022年5月27日の金曜日の東京外国為替市場のFXの円相場の為替レートは、9時から17時までの東京外為取引時間の円の安値が127円20銭前後から高値126円68銭前後の値動き幅52銭程で、今夜17時の東京市場終値は127円10〜11銭前後で、同時刻の前東京終値の前日比では約51銭の円安ドル高であった。
原因は、昨夜から今朝の米国ニューヨーク市場や英国ロンドン市場での欧米株価上昇の影響で今日は日経平均株価も上昇しており、投資家たちのリスク回避姿勢が弱まったことで、低リスク通貨の日本円が持ち高調整などで売られる機会が増えたことが大きかった。
ただし、昨夜発表された米国の1〜3月期四半期の実質国内総生産(GDP)の改定値は前期比年率1.5%減で、先月に発表された速報値の1.4%から下方修正されていたために、米連邦準備制度(FRB)の利上げ減速予想によるドル売りも起きており、今夜21時半に発表予定の米国の重要経済指標のPCE(個人消費支出)デフレーターが注目されている。
そのため、持ち高調整のドル売りとドル買いの抵抗も入った後に、結果が分かるまでは積極的な売買を控えて小幅な値動きになっている時間帯も見られる。
今日の東京市場の為替相場の値動きは、今朝10時の仲値決済ではまず輸入企業等の実需の円からのドル買いが先行した後に、輸出企業のドル売り円買いや持ち高調整のドル売りが入り、正午前にドルが今日の安値の126円68銭付近に達すると、今日の円の高値にあたるために利益確定の円売りや持ち高調整の低リスク通貨の円売りが活発になった。そして、午後に時差で朝の欧州英国市場が参入すると、欧英株上昇時のリスクオンの欧州通貨買いの低リスク通貨売りも加わり、16時過ぎに今日の円の安値でドルの高値の127円20銭になり、高値の利益確定売りで少し戻してきたところで17時の今夜の東京終値となっていた。
その後の今日の欧州英国市場でも、18時過ぎになってもやや戻した値動きが続いており、今夜の米国重要経済指標発表前の小動きも見受けられた。
今日のユーロは、先述の通り日米欧英の主要株価指数が上昇したために、リスク志向のリスクオンのユーロ買いが優勢になり、以前にリスク回避で買われていた安全資産のドルと低リスク通貨の日本円が持ち高調整などでも売られており、今日は対ドルでのユーロが4月25日以来の1.0765ドルの高値を一時記録し、17時の今日の東京終値は1.0733~1.0734ドルで0.45セントのドル安ユーロ高の続伸であった。
ユーロは同様の理由で低リスク通貨の日本円に対しても大きく上昇しており、特に欧州市場参入後の16時過ぎにユーロが大きく買われた影響で、今夜17時の東京終値は136円42~45銭で、前日比1円12銭の大幅な円安ユーロ高だった。
今日の英ポンドは、前日の英国ロンドン証券取引所でも英株価が上昇傾向であったことから、リスク回避で買われた低リスク通貨の円が売られており、リスク志向で欧州英国通貨が買い戻されたこともあり、今日17時の東京終値は160円38 〜44銭で、前日比21銭の円安ポンド高であった。
しかし、その後の今夜19時頃には、記録的な9%超の英国のインフレによる英景気後退懸念を再意識させる朝のニュースや、ボリス英首相のコロナ禍の際のロックダウン規制中のパーティー・スキャンダル継続で政情不安もあり、再び安全資産や低リスク通貨の円の買い戻しもあったことから、東京終値前日比では円高ポンド安に市場反転する時間も見られた。
オーストラリアドルにも、今日のリスクオン市場での低リスク通貨の円売りの影響が波及しており、17時の今日の東京終値の豪ドル対円は90円64〜68銭で、前日比47銭の円安豪ドル高だった。
今夜この後には、前述の通り、日本時間21時半に米国の4月の個人消費支出(PCE)デフレーター等の経済指標が発表予定で、特に前回は米個人消費支出(PCE)デフレーター発表後に+14.7ピップスものドル対円の値動きがあったために、今回も為替相場への影響が世界的に注目されており、今後の米連邦準備制度(FRB)の金融政策の予想への影響も考えられるため、今後も最新のFXニュースによる為替相場の値動きには注意が必要である。
今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年5月27日の日本時間(JST)19時15分(英国夏時間(GMT+1)11時15分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 19:15の為替レート | 東京外国為替市場前日比 |
ドル/円 | 127.06 〜 127.08 | +0.47(円安) |
ユーロ/円 | 136.12 〜 136.14 | +0.82(円安) |
ユーロ/ドル | 1.0712 〜 1.0714 | +0.0024(ドル安) |
英ポンド/円 | 160.15 〜 160.21 | -0.02(円高) |
スイスフラン/円 | 132.39 〜 132.45 | -0.07(円高) |
豪ドル/円 | 90.74 〜 90.78 | +0.57(円安) |
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。
当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。